はじめに

「親が亡くなって、カードのことを何もしていない。でも何から手をつければいいかわからない」

「気づいたら故人のカードで支払いをしてしまっていた。これは問題になる?」

こういったご相談は、相続手続きのなかでも特に多いものです。

この記事では、何枚カードがあるかわからない場合の調べ方から、解約の流れ、使ってしまった場合の対応、相続放棄への影響まで、順を追って解説します。

📋 この記事でわかること
クレジットカードを放置するリスク
故人のカードを調べる方法
解約前の確認事項と手続きの流れ
亡くなった人のカードを使ってしまった場合の対応
みなし承認(相続放棄できなくなるリスク)の注意点

1. 解約が必要な理由と放置のリスク

クレジットカードは名義人本人しか利用できません。亡くなった場合、相続人にはカード会社への届出義務(利用規約上)があります。放置するとこんなリスクがあります。

リスク
内容
不正利用
カード情報が第三者に悪用されても気づかない
サービス停止
紐づけた公共料金・サブスクが突然停止される
年会費の発生
解約しないまま年会費が引き落とされ続ける

2. 何のカードがあるか調べる方法

故人がどのカードを保有していたか把握できていない場合は、まず次の方法で確認しましょう。

① 財布・カードケース・郵便物を確認する

財布やカードケースの中身、郵便受けに届いているカード会社からの請求書・明細書・利用案内を確認しましょう。

カード会社名・カード番号・引き落とし口座が記載されており、手続きの際に必要になります。

② 通帳・銀行口座の引き落とし履歴を確認する

通帳やインターネットバンキングの明細を確認すると、カード会社への引き落とし(例:「ビザ」「JCB」「楽天カード」など)が記録されています。

引き落とし先のカード会社名と引き落とし金額を一覧にしておくと、抜け漏れを防げます。

③ 信用情報機関に照会する

クレジットカードやローンの契約情報を管理している専門機関(信用情報機関)に、故人の契約状況を問い合わせる方法があります。カードの契約先・残高・支払い状況などが確認できます。

機関名
主な対象
申請者
CIC
クレジットカード・割賦販売
法定相続人
JICC
消費者金融・クレジット全般
法定相続人等
全銀協(KSC)
銀行系ローン・カード
法定相続人

※手数料・必要書類は各機関のWebサイトで最新情報をご確認ください。郵送のみの対応です。

⚠ カード会社が故人の死亡を確認した時点で、信用情報が削除される場合があります。相続放棄の期限(3か月)を意識して、早めに照会することをおすすめします。
④ スマートフォン・メールを確認する
カード会社からの利用明細メール・アプリの通知履歴を確認する方法です。オンライン明細に切り替えている場合は郵便物に届かないため、デジタル遺品の確認も必要です。

3. 解約前に確認すること

解約の前に、カードに紐づいているサービスを必ず確認・変更してください。先に解約するとサービスが停止するリスクがあります。

✅ 解約前に支払い方法を変更すべきもの
・ 電気・ガス・水道
・ 携帯電話料金
・ NHK受信料
・ 動画・音楽サブスク
・ ネット回線・プロバイダ
・ 各種保険料
⚠ 先に支払い方法を変更してから解約を

カードを解約してから支払い方法を変更しようとすると、サービスが停止してしまいます。必ず変更→解約の順番で進めてください。

4. 解約の手続きの流れ・必要書類
1
紐づいているサービスの支払い方法を変更する
2
カード会社へ連絡し、名義人の死亡を伝える
3
必要書類を提出する
4
カードの解約・未払い残高の精算

必要書類(カード会社によって異なります)

死亡診断書のコピーまたは死亡が記録された住民票(除票)
届出人(相続人)の本人確認書類
カード番号(カード現物または明細書)
⚠ 家族カードも同時に停止・解約になることが多い

家族カードは主契約者(本人)の死亡と同時に利用停止となるケースが多く、カード会社への連絡後に解約となります。家族カードを保有している方は早めに確認してください。

5. 亡くなった人のカードを使ってしまった場合

「気づかずに故人のカードで支払いをしてしまった」というご相談は少なくありません。この場合、いくつかのリスクが生じます。

❶ カード会社への不正利用として扱われるリスク
名義人以外の使用はカード利用規約違反となります。気づかずに使った場合でも、速やかにカード会社へ事情を説明し、使用経緯を申告することが重要です。
❷ 相続放棄ができなくなるリスク(みなし承認)

法律により、故人の財産を売ったり使ったりした場合は、相続をすべて受け入れた(借金も含めて全部引き継ぐ)とみなされます。これを「みなし承認」といいます。

故人のカードを使って支払いをした行為が「財産の処分」とみなされると、相続放棄ができなくなる可能性があります。相続放棄を検討している場合は特に注意が必要です。

使ってしまった場合の対応:まずカード会社へ正直に事情を説明してください。相続放棄を検討している場合は、司法書士または弁護士に相談したうえで判断することを強くおすすめします。

6. あらかじめ確認しておきたいこと

手続きを進める前に知っておくべき注意点です。

⚠ 未払い残高は借金として引き継がれる

クレジットカードの未払い残高は借金として相続人が引き継ぐことになります。

負債が財産を上回る可能性がある場合は、相続の開始を知った日から3か月以内に家庭裁判所へ相続放棄の申し立てが必要です。

⚠ ポイント・マイルは原則として消滅する
カードに貯まったポイントやマイルは、カード解約と同時に消滅するのが一般的です。ポイントの残高が多い場合は、解約前に各カード会社に活用方法(他のサービスへの移行や充当など)を確認しておきましょう。名義人以外によるポイントの使用は規約違反となりますので、必ずカード会社に相談してください。

大切な人を亡くしたばかりなのに、泣く時間もなく手続きに追われている

——そういう方が、私のところにたくさん相談に来られます。

「何から始めればいいかわからなくて、ずっとそのままにしてしまっていました」

と、申し訳なさそうにおっしゃる方が多いんですが、それは当然のことだと思っています。

誰だって、初めて経験することですから。

カードが何枚あったかわからなくても、

うっかり使ってしまっていても、

それを責める気持ちはまったくありません。

今の状況を一緒に整理していきましょう。

ひとりで抱えないでください。

行政書士髙橋 大輔

当事務所でできること

相続が発生してから、カードの解約・口座の整理・名義変更・遺産分割と、やることは際限なく出てきます。当事務所では、こうした相続に伴う一連の手続きを、最初から最後まで一緒に進んでいきます。「次は何をすればいいか」を都度お伝えしながら、寄り添ってサポートします。

📋 実際にあったご相談

遺産分割協議が終わったあとに、故人のクレジットカードの未払いが見つかったというケースがありました。協議書に記載のない負債が後から出てくると、対応が非常に複雑になります。こうした事態を防ぐためにも、カードや借入の全容を早い段階で把握しておくことが大切です。

カードの解約を進める中で、こんなことでお困りではありませんか?

未払い残高があって、相続放棄すべきか判断できない
カードの解約以外にも名義変更や相続手続きが残っていて全体像が見えない
3か月以内の相続放棄の期限が迫っているが、借金の全容がつかめていない

カードの解約手続き自体は各社への連絡ですが、相続放棄の判断に必要な財産調査・相続全体の整理は行政書士がサポートできます。「まず状況を整理したい」という段階からご相談ください。

🏛 行政書士(当事務所)
遺産分割協議書の作成
相続関係説明図の作成
各種相続書類の収集・整理
遺言書作成のサポート
⚖ 司法書士(ご紹介)
不動産の相続登記
(2024年4月より義務化)
相続放棄の申立書作成
(借金が財産を上回る場合)
📊 税理士(ご紹介)
相続税の申告・納税手続き
亡くなった方の確定申告(準確定申告)

三重県鈴鹿市の行政書士事務所

「使ってしまったかもしれない」「何枚あるかわからない」
そんな状況からでも、一緒に整理していきます。まずお話を聞かせてください。

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よくあるご質問
Q. 解約はいつまでにすればいいですか?

法律上の期限は定められていませんが、なるべく早めに対応することをおすすめします。放置すると不正利用や年会費の引き落とし、公共料金の停止といったトラブルにつながります。また、相続放棄を検討している場合は、3か月以内に手続きが必要なため、その前に財産・負債の全容を把握しておく必要があります。

Q. 故人のカードで買い物をしてしまいました。どうすればいいですか?

まずカード会社へ正直に事情を説明してください。気づかずに使ってしまったケースでは、誠実に申告することでトラブルを最小限に抑えられます。ただし、相続放棄を検討している場合は「みなし承認」が成立し、相続放棄ができなくなる可能性があります。

Q. カード会社への連絡は、相続人であれば誰でもできますか?

基本的には相続人であれば手続きが可能ですが、カード会社によって対応できる続柄や必要書類が異なります。配偶者・子など関係が明確な場合はスムーズですが、兄弟・甥姪など少し遠い親族の場合は、相続関係を証明する書類(戸籍謄本など)の提出を求められることがあります。まずカード会社のカスタマーセンターに電話で状況を確認するのが確実です。

Q. 家族カードは自動的に止まりますか?

カード会社への死亡連絡後、主契約者の死亡が確認されると家族カードも利用停止・解約となるケースが多いです。ただし自動的に止まるわけではなく、カード会社への連絡が必要です。家族カードを使っている方がいる場合は、支払い方法の切り替えを先に済ませてから連絡するようにしましょう。

Q. 未払い残高がある場合、必ず払わなければなりませんか?

相続を受け入れた場合は、未払い残高も引き継ぐことになります。ただし、借金が財産を上回る場合は相続の開始を知った日から3か月以内に家庭裁判所へ相続放棄の申し立てをすることで、支払い義務を免れることができます。相続放棄を検討している場合は、故人のカードを使ったり財産を処分したりしないよう注意しながら、早めに専門家へご相談ください。

まとめ
カード
の確認
財布・通帳・郵便物を確認。わからない場合はCIC・JICC・全銀協へ照会申請
解約前
公共料金・サブスクの支払い方法を先に変更してから解約する
解約
手続き
カード会社へ連絡・必要書類提出・解約。家族カードも同時に停止になることが多い
使って
しまった
速やかにカード会社へ申告。相続放棄を検討中なら専門家に相談を
3か月
以内
未払い残高が多い場合は相続放棄を検討。故人の財産を勝手に使うと相続放棄できなくなる場合あり(みなし承認)
【免責事項】本記事は一般的な情報提供を目的としており、法的助言を提供するものではありません。個別の事情により手続きや結果が異なる場合がありますので、具体的なご相談は専門家またはカード会社にお問い合わせください。記載内容は2026年6月時点の情報に基づきます。

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