はじめに
親が亡くなったあと、悲しむ間もなく次々と手続きが押し寄せてきますよね。「何から手をつけたらいいんだろう」と、その場に立ち尽くしてしまう方も多いのではないでしょうか。役所、病院、葬儀社、銀行——どこから連絡したらいいのか、頭がいっぱいになるのも当然のことです。
特に最初の14日間は、期限のある手続きが集中します。順番を間違えると過料がかかったり、あとから二度手間になったりすることも。だからこそ、最初に全体像をつかんでおきたいところです。
この記事では、親が亡くなった当日から14日以内にやることを、時系列でひとつずつ整理していきます。葬儀まわりをもう少し詳しく知りたい方は「死亡後7日以内にやること」、14日以降の相続手続きが気になる方は「相続手続きの全体の流れ」もあわせてご覧ください。
💡 この記事の結論
最初の14日間でやることを、時系列でまとめると次のとおりです。
① 当日 死亡診断書の受け取り・訃報連絡・葬儀社の決定
② 7日以内 死亡届の提出・火葬許可証の取得(葬儀社が代行することが多い)
③ 14日以内 健康保険証の返却・年金停止・世帯主変更
④ 速やかに 公共料金・サブスクの名義変更/解約・銀行口座への対応
⑤ 忘れずに 葬祭費・埋葬料・未支給年金など「もらえるお金」の申請
14日を過ぎてからの相続手続きは別記事で詳しく解説します。まずは目の前の14日を乗り切りましょう。
STEP 1亡くなった当日にやること
突然のことに頭が真っ白になっている方も多いかもしれませんね。それでも、その日のうちにやっておきたいことが3つあります。すべてを完璧にやろうとしなくて大丈夫です。ひとつずつ、ゆっくり進めていきましょう。
① 死亡診断書(または死体検案書)を受け取る
医師から発行される、亡くなったことを証明する書類です。今後のあらゆる手続きで必要になるため、必ず受け取ります。
死亡診断書
病気で入院・通院していて亡くなった場合に、担当医が発行します。
死体検案書
死因が分からない・事故・自宅で突然死などの場合に、警察の検視を経て発行されます。費用は地域や状況によりますが3万円〜10万円程度かかることがあります。
📋 必ずコピーを5〜10枚取っておく
原本は死亡届として役所に提出するため返却されません。生命保険金の請求・銀行口座の解約など、あとで何度もコピーが必要になります。再発行には時間と費用がかかるため、最初に多めにコピーを取ることが重要です。
② 親族・関係者への訃報連絡
基本的に喪主が電話で伝えるのが正式なやり方です。第三者に頼むと情報が確実に伝わらないことがあります。
●当日伝えるのは「亡くなった事実」だけで構いません。詳細が決まったら改めて連絡を。
●親族は親しい関係の方(配偶者・子・親・兄弟姉妹・祖父母・孫など)を優先に、会社関係者にも可能であれば連絡を。
●連絡漏れを防ぐため「連絡者リスト」を作っておくと安心です。
③ 葬儀社を決める
病院で亡くなった場合、安置場所が必要になるため早めに葬儀社を決める必要があります。
📋 葬儀社選びの3つのポイント
①担当者の対応が丁寧で、費用を明確に説明してくれる
②見積りを書面で出してくれる
③こちらの希望(家族葬・一般葬など)を聞いてくれる
💡 「搬送だけ」依頼することもできる
本契約の葬儀社が決まらなくても、まずは搬送だけ別の葬儀社に依頼して、落ち着いてから比較検討することもできます。慌てて決めなくて大丈夫です。
STEP 27日以内にやること:死亡届と火葬
最初の関門が「死亡届」です。これを出さないと火葬の許可も下りないので、何より優先して進める必要があります。とはいえ、実際には葬儀社の方が代わりに動いてくれることがほとんどなので、ご自身ですべてを抱える必要はないんですよね。
死亡届の提出
提出期限
亡くなったことを知った日を含めて7日以内(国外の場合は3か月以内)。過ぎると過料の対象になります。
提出先
①亡くなった場所、②本籍地、③届出人の住所地——いずれかの市区町村役場で提出可能。
届出人
親族・同居者・後見人など。実際の提出は葬儀社が代行することが多いです。
様式
A3用紙の右側が死亡診断書、左側が死亡届。一体になっています。役所・病院・葬儀社で入手できます。
📍 三重県の方へ 鈴鹿市・四日市市・津市など、お住まいの市区町村窓口で手続きできます。多くの自治体では24時間365日受付しています(夜間・休日は当直窓口)。
火葬許可証の取得
死亡届の提出と同時に「火葬許可申請書」を提出し、「火葬許可証」を受け取ります。これがないと火葬できません。
💡 火葬許可証は「埋葬許可証」になる
火葬後、火葬場で押印された火葬許可証はそのまま「埋葬許可証」として使われます。納骨時に必要になるため、紛失しないよう大切に保管してください。
📖 死亡診断書の取得・訃報連絡・葬儀社選び・死亡届の書き方など、7日以内の手続きをさらに深く知りたい方は、こちらの記事で詳しく解説しています。
2026.03.12
はじめに
家族が亡くなった直後は、気持ちの整理もできないまま次々と「やること」が出てきますよね。病院での手続き、葬儀社への連絡、役所への届出——何から手をつければいいか分からなくなるのも当然のことです。
この記事では死亡後7日以...
STEP 314日以内にやること:保険・年金・世帯主
葬儀がひと段落すると、ホッと一息つきたくなりますよね。でも、ここからが役所まわりの手続きの本番です。健康保険、年金、世帯主の変更——どれも14日が一つの区切り。期限のあるものから順番に片付けていきましょう。
① 健康保険証の返却・資格喪失届
亡くなった方が加入していた健康保険によって、手続き先と期限が異なります。
国民健康保険
14日以内に市区町村役場へ。「資格喪失届」と保険証を返却します。
後期高齢者
医療制度
14日以内に市区町村役場へ。75歳以上の方が加入する制度です。
健康保険
(会社員)
5日以内に勤務先経由で手続き。実際の手続きは勤務先が対応してくれることが多いです。
② 世帯主変更届(必要な場合のみ)
亡くなった方が世帯主だった場合、新しい世帯主を届け出ます。死亡日から14日以内に市区町村役場へ。
📋 世帯主変更届が「必要」なケース・「不要」なケース
必要
世帯に15歳以上の人が2人以上残っている場合(誰が世帯主になるか決める必要があるため)
不要
残った世帯員が1人だけ・残ったのが15歳未満の子供と親のみ・世帯主が明らかな場合
③ 年金受給停止の手続き
年金を受給していた場合、年金事務所へ届出をします。受給する年金の種類で期限が変わります。
国民年金
死亡日から14日以内に年金事務所または年金相談センターへ届出。
⚠ 受給停止を忘れると過払いが発生
手続きを怠ると亡くなった後も年金が振り込まれ続け、後日全額返還を求められます。マイナンバーが日本年金機構に登録されている方は、年金受給権者死亡届の提出が原則不要となります(未支給年金がある場合はその請求は別途必要)。念のため年金事務所に確認しましょう。
💰 「未支給年金」がもらえることも 亡くなった方の最後の年金(受け取れていなかった分)は、遺族が請求できます。年金受給停止と同時に手続きするのが効率的です。
STEP 4速やかに対応すること:公共料金・銀行
明確な期限はないけれど、放っておくと困ること——意外とたくさんあるんですよね。電気・ガスなどの公共料金、銀行口座、それから、申請すればもらえるお金。特に「もらえるお金」は見落としがちなので、ここで一緒に確認しておきましょう。
① 公共料金・サブスクの名義変更/解約
亡くなった方の名義になっていたサービスは、名義変更または解約が必要です。引き落とし口座が凍結されると料金が支払えなくなるため、早めに対応しましょう。
●名義変更が必要 電気・ガス・水道・固定電話・新聞・NHK
●解約手続きが必要 携帯電話・インターネット回線・サブスク(動画配信など)
●クレジットカード 引き落とし停止のため、早めにカード会社へ連絡を
② 銀行口座への対応
金融機関が死亡を知ると、口座は凍結されます。凍結後は引き出し・振込ができなくなります。
⚠ 口座凍結のタイミングと対応
口座は「金融機関が死亡を知った時点」で凍結されます。役所への死亡届で自動的に凍結されるわけではなく、遺族の連絡や新聞のお悔やみ欄などがきっかけになることが多いです。葬儀費用などで急ぎ現金が必要な場合は、後述の「預貯金の仮払い制度」の活用を検討します。なお、亡くなった後に故人の口座から無断で引き出すと「相続財産の処分」とみなされ、相続放棄ができなくなる可能性があるため注意が必要です。
💡 凍結後でも使える「預貯金の仮払い制度」
2019年の民法改正により、遺産分割協議を経なくても一定額を払い戻せる制度ができました。各金融機関ごとに「150万円」または「相続開始時の預金額×1/3×法定相続分」のいずれか少ない方が上限です。葬儀費用などの急ぎの支払いに活用できます。
③ もらえるお金の確認
支払いだけでなく、申請すればもらえるお金もあります。葬祭費・埋葬料・未支給年金・死亡保険金など、見落としがちなものが意外と多いんですよね。請求には期限があるものもあるので、早めに確認しておきましょう。
📖 受け取れるお金の種類・金額・申請方法は、こちらの記事で詳しく解説しています。
2026.03.23
はじめに
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ここまでで、最初の14日以内にやるべきことはひと通り押さえました。次は、その先に控えている相続そのものの手続きについて、ざっと見ておきましょう。
STEP 514日以降に控える主な手続き(概要)
最初の14日を乗り切ったら、いよいよ相続そのものの手続きが始まります。ここでは「これから何が控えているか」の見取り図だけお伝えしますね。
📖 14日以降のことはこの1記事で全部わかります
戸籍収集・遺産分割・相続税申告など、14日以降の手続きの全体像は次の記事にまとめています。「これから何をすればいいか」を一通り把握したい方は、まずはこちらをご覧ください。
2026.07.11
STEP1
遺言書
STEP2
相続人
STEP3
財産調査
STEP4
遺産分割
STEP5
名義変更
STEP6
税金申告
...
3か月
以内
相続放棄するかの判断
借金が多い場合は家庭裁判所で相続放棄の手続きを。3か月以内に手続きしないと、原則として「単純承認」したものとみなされます。
🏛 司法書士または弁護士へ
4か月
以内
準確定申告(必要な人のみ)
個人事業主・不動産収入があった場合などに必要。
📊 税理士へ
10か月
以内
相続税の申告・納付
戸籍収集・遺産分割協議・名義変更もこの期間内に。基礎控除を超える場合のみ申告が必要です。
📊 相続税は税理士へ
📝 遺産分割協議書は行政書士へ
3年
以内
相続登記(2024年4月義務化)
不動産を相続した場合、3年以内に登記が必要。怠ると10万円以下の過料の対象。
🏛 司法書士へ
📖 「期限ごとのチェックリストが欲しい」「相続放棄を検討している」方は、こちらの記事もあわせてご覧ください。
2026.07.10
はじめに
家族が亡くなった後の手続きは多岐にわたります。
「何から始めればいいか分からない」という方も多いのではないでしょうか。
この記事では、死亡直後から10か月以内までの相続手続きを期限順にまとめました。
...
2026.03.18
はじめに
「親に借金があったかもしれない」「財産より負債の方が多そう」――そんな不安を抱えながら手続きを進めている方も多いのではないでしょうか。
相続では、亡くなった方の財産だけでなく借金も引き継ぐ可能性がありま...
よくあるご質問
Q仕事は何日くらい休めばいいですか?▼
A
親が亡くなった場合の忌引休暇は7日程度を設けている会社が多いです。葬儀までの対応はこの期間で可能ですが、役所・銀行・保険などの手続きは14日以内に集中するため、有給休暇と組み合わせて対応する方が多いです。
Q死亡届の期限を過ぎてしまったらどうなりますか?▼
A
死亡届を正当な理由なく7日以内に提出しなかった場合、戸籍法により5万円以下の過料の対象になります。やむを得ない事情がある場合は、その理由を申し出れば過料を免れることもあります。気づいたらできるだけ早く提出しましょう。
Q遺言書はどう確認すればいいですか?▼
A
自宅・貸金庫・公証役場・法務局(自筆証書遺言の保管制度)を確認します。公正証書遺言は最寄りの公証役場で検索できます。自筆証書遺言が見つかった場合は、開封せず家庭裁判所で「検認」の手続きが必要です(法務局保管のものは検認不要)。
Q三重県・鈴鹿市で相談できますか?▼
A
当事務所(行政書士髙橋大輔事務所・三重県鈴鹿市)にて承っています。戸籍収集・遺産分割協議書の作成・相続手続き全体の整理は当事務所が担当し、相続税は税理士、相続登記は司法書士をご紹介します。対面・電話・LINE・オンライン対応可。初回相談は無料です。
親の死は、ある日突然やってくることが多いものです。
救急車のサイレンが鳴り響いたあの瞬間から、悲しみと混乱の中で次々と判断を迫られる
——それが現実です。
最初にご相談に来られる方は、皆さん、思いつめたような表情をされています。
「どこに相談していいのかさえ分からなかった」と、ようやくたどり着いた、という方も少なくありません。
そういう方と一緒に、これからの見通しと手順を一つひとつ整理していくと、
少しほっとした表情に変わっていくのが分かります。
「先が見通せない」状態から、「次にこれをすればいい」と道筋が見えるだけで、
人の表情ってこんなに変わるんだと、こちらが教えられる思いです。
そして、すべての手続きが終わる頃には、最初の頃の沈んだ様子からは想像できないほど、ご自身の足取りで歩いていかれます。
悲しみが消えるわけではないと思います。
それでも、一つひとつ片付いていく中で、少しずつ前を向ける——そんな瞬間に立ち会えるのが、この仕事をしていて何より嬉しいことです。
「何から手をつけていいか分からない」——その整理だけでも、ぜひご相談ください。
行政書士髙橋 大輔
当事務所のサポート内容
親が亡くなり、何から手をつければいいか分からない方はご相談ください。
・戸籍を集めたり遺産分割協議書を作ったりする自信がない
・相続人が複数いて、誰が何を担当するか決まっていない
・3か月・10か月の期限が気になるが、どこから手をつければいいか分からない
行政書士業務(戸籍収集・遺産分割協議書・財産目録)に加えて、相続税は税理士、相続登記は司法書士をご紹介します。
🏛 行政書士(当事務所)
戸籍収集・相続人確定
遺産分割協議書作成
財産目録の作成
手続き全体の進行管理
⚖ 司法書士(ご紹介)
不動産の相続登記
(2024年4月義務化)
相続放棄の申立書作成
📊 税理士(ご紹介)
相続税の申告・納税
準確定申告
まとめ|14日間でやることの全体像
当日
死亡診断書の受け取り・訃報連絡・葬儀社の決定
死亡診断書はコピーを5〜10枚取っておく
7日
以内
死亡届の提出・火葬許可証の取得
葬儀社が代行することが多い
14日
以内
健康保険・年金・世帯主変更
市区町村役場・年金事務所での手続き
速やか
に
公共料金・サブスク・銀行口座への対応
口座凍結に注意・仮払い制度(150万円まで)も活用
忘れず
に
「もらえるお金」の申請
葬祭費・埋葬料・未支給年金など。請求漏れに注意
【免責事項】本記事は一般的な情報提供を目的としており、法的助言・税務助言を提供するものではありません。具体的な手続きや判断は個別の事情によって異なります。必要に応じて行政書士・司法書士・税理士等の専門家にご相談ください。記載内容は2026年6月時点の情報に基づきます。