はじめに

はじめに

「親が借金を残して亡くなった——」そう気づいたとき、最初にすべきことはひとつです。

相続放棄ができるのは、相続を知った日から3か月以内。その間に財産に手をつけると、借金があっても放棄できなくなる場合があります。

この記事では、借金がある場合の3つの選択肢と判断のポイント・注意点を詳しく解説します。

相続の3つの選択肢

STEP 1相続の3つの選択肢
📋 ① 単純承認

財産も借金もすべて引き継ぐ。期限内に相続放棄・限定承認をしなかった場合、自動的に単純承認となります(民法第921条第2号)。

📋 ② 相続放棄(民法第915条)

財産も借金も一切引き継がない。相続を知った日から3か月以内に家庭裁判所へ申述が必要。

財産調査に時間がかかる場合は家庭裁判所への期間の伸長申立(同条ただし書き)も可能。

📋 ③ 限定承認(民法第922条)

相続財産の範囲内でのみ債務を弁済する制度。相続人全員が共同して家庭裁判所に申述する必要があります(民法第923条)。

手続きが複雑なため、実務上は相続放棄が選ばれることが多い。

放棄すべきかの判断ポイント

STEP 2放棄すべきかの判断ポイント

次の点を早めに確認することが重要です。

借金の総額 KSC・CIC・JICCへの信用情報照会(相続人が申請可)で確認
財産の内容 残高証明書・不動産登記情報等で把握
保証人の有無 連帯保証債務は相続財産として当然に引き継がれる(民法第896条)

⚠ 相続放棄すると次順位の親族に相続権が移る
子(全員放棄)
父母(放棄)
兄弟姉妹に移る

知らないうちに親族へ借金が移っていたというトラブルが実際にあります。放棄する前に必ず家族全体で話し合うことが重要です。

3か月以内にやること

STEP 33か月以内にやること・優先順位

相続を知った日から3か月以内に、次の順番で動くことが重要です。

1
財産・借金の全体像を把握する
預金残高証明・不動産登記情報・KSC/CIC/JICCへの信用情報照会で借金総額を確認。クレジットカードの残債・保証債務も忘れずに
2
財産に手をつけない(単純承認に注意)
預金の引き出し・不動産の処分は単純承認とみなされ放棄不可に(民法第921条)
3
家族全員で方針を決める
放棄した場合に次順位の親族へ相続権が移るため、親族全体で話し合いが必要
4
家庭裁判所に相続放棄を申述する
3か月以内に申述が必要。間に合わない場合は期間の伸長申立(民法第915条ただし書き)も可能

財産に手をつけてはいけない理由

STEP 4財産に手をつけてはいけない理由

相続放棄を検討している場合、次の行為は単純承認とみなされ、放棄が不可能になります(民法第921条第1号・第3号)。

預金の引き出し・消費
不動産の処分・売却
相続財産の隠匿
相続財産を自分のものとして使用する行為
⚠ 葬儀費用は例外的に認められる場合がある

亡くなった方の預金から葬儀費用を支出した場合でも、社会通念上相当な金額であれば単純承認とみなされない場合があります。詳細は専門家にご相談ください。

クレジットカードの残債はどうなる?

STEP 5クレジットカードの残債はどうなる?

「親のクレジットカードに残債があるが、相続放棄したら払わなくていいの?」という疑問は非常に多いです。

📋 相続放棄した場合

相続放棄が認められれば、クレジットカードの残債を含むすべての借金を引き継がずに済みます(民法第939条)。カード会社への支払い義務もなくなります。

ただし、放棄後は次順位の親族に相続権が移るため、事前に家族への連絡が必要です。

⚠ 相続放棄前にカードを使ってはいけない

亡くなった方のクレジットカードを死亡後も使用した場合、単純承認とみなされ相続放棄ができなくなる可能性があります(民法第921条第1号)。

カードは死亡後すぐに使用を止め、カード会社に死亡の連絡を入れることが重要です。

📋 単純承認(相続する)場合

残債は相続財産の一部として引き継ぎます。カード会社に死亡の旨を連絡し、相続人として残債の支払い手続きを進めます。分割払いの交渉ができる場合もあります。

当事務所でできること・専門家の役割分担

当事務所でできること・専門家の役割分担

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借金がどれくらいあるかわからず、放棄すべきか判断できない
3か月の期限が迫っているのに、何から手をつければいいかわからない
財産に手をつけてしまったかもしれない——放棄できるか不安

戸籍収集・財産目録の整理・信用情報照会のご案内・手続き全体のスケジュール管理は行政書士がサポートできます。借金の法的整理・債権者との交渉・申述書作成が複雑な場合は、必要に応じて提携弁護士をご紹介します。

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まとめ

まとめ
3か月
以内
財産調査・相続放棄の要否を判断
民法第915条第1項|信用情報照会(KSC・CIC・JICC)も活用

⚠ 期間の伸長申立も可能

判断
財産に手をつけない
処分・消費・隠匿は単純承認とみなされ放棄不可に(民法第921条)
カード
残債
相続放棄すれば支払い不要・放棄前の使用は単純承認に
死亡後すぐカード使用を止め、カード会社に連絡することが重要
保証
債務
連帯保証債務も相続財産として引き継がれる
民法第896条|信用情報照会で確認することが重要
【免責事項】
本記事は一般的な情報提供を目的としており、法的助言を提供するものではありません。個別の事情により手続きや結果が異なる場合がありますので、具体的なご相談は専門家にお問い合わせください。

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