はじめに
はじめに
「連絡が取れない兄弟がいて、相続が止まっています」——こういった相談は、実は珍しくありません。
遺産分割協議は、相続人全員の合意がなければ法的に無効になります。一人でも欠けると、預金も不動産も一切動かせない——何年も手続きが止まったままになることがあります。
この記事では、所在確認の方法から不在者財産管理人・失踪宣告まで解説します。
なぜ全員の関与が必要なのか
STEP 1なぜ全員の関与が必要なのか
遺産分割協議は相続人全員が参加して合意することが必要です(民法第907条第1項)。一部の相続人を除外して行った協議は法的に無効となります。
⚠ 一部の相続人だけで進めることはできない
無断で手続きを進めると後からトラブルになる可能性があります。連絡が取れない場合でも、適切な法的手続きを通じて対応することが重要です。
2026.03.25
はじめに
はじめに
「遺産分割協議って何をすればいいの?」「銀行や法務局から書類を求められたけど、何から始めればいいかわからない」——相続手続きを進めようとして、最初に壁にぶつかるのが遺産分割協議です。
遺産分割協...
📋 まず状況を確認:「連絡が取れない」と「協議に応じない」は別問題
📍 この記事のケース
住所・連絡先が不明で
そもそも連絡がつかない
→ 所在確認・不在者財産管理人
⚠ 別のケース
連絡はつくが、ハンコを
押してくれない・無視される
→ 調停・審判(弁護士へ)
混同されやすいですが、対処法がまったく異なります。まずどちらの状況かを確認してください。
まず所在確認から
STEP 2まず所在確認から
・手紙を送る 戸籍の附票で転居先住所を確認して郵送
・実家・知人を通じて連絡
・住民票・戸籍の附票で所在を確認
・弁護士会照会(弁護士を通じた公式な調査方法・弁護士法第23条の2)でより広範な調査が可能
📋 戸籍の附票の取り方
戸籍の附票とは、その戸籍に在籍していた期間の住所の履歴が記録された書類です。相続人の現住所を確認するための最も確実な方法です。
請求先
相続人の本籍地の市区町村役場(住所地ではなく本籍地)
手数料
300円/通(郵送請求の場合は定額小為替300円分を同封)
請求できる人
本人・配偶者・直系親族。相続人として請求する場合は戸籍謄本など疎明資料が必要な場合あり
注意点
広域交付(他市区町村の戸籍をまとめて請求できる制度)は附票には対応していません
本籍地がわからない場合は、住民票(本籍地記載あり)で確認できます。
📋 手紙の文例(戸籍の附票で住所確認後に送付)
〇〇様
突然のご連絡をお許しください。私は〇〇(故人)の相続人、〇〇と申します。
このたび〇〇が〇年〇月に亡くなり、相続手続きを進めております。遺産分割協議を行うにあたり、相続人の皆さまのご協力が必要となりました。
お手数ですが、下記の連絡先までご一報いただけますと幸いです。
〇〇(氏名) 電話:〇〇 メール:〇〇
※送付した日付・方法・内容を記録として残しておきましょう。返信がない場合の証拠になります。
⚠ 所在確認の経過は必ず記録に残す
「いつ・どの方法で・どこへ連絡したか」を記録しておくことが重要です。不在者財産管理人の申立時に、所在確認の経過を裁判所に示す必要があります。
それでも連絡が取れない場合の法的手続き
STEP 3それでも連絡が取れない場合の法的手続き
📋 ① 不在者財産管理人の選任(民法第25条)
・不在者の住所地を管轄する家庭裁判所に選任を申立
・費用:裁判所に事前に納める費用(予納金)として10万円程度〜(裁判所により異なる)
・選任された管理人が遺産分割協議に参加することで手続きを進めることができる
📋 ② 失踪宣告(民法第30条)
・普通失踪:不在から7年が経過後に申立可能
・危難失踪(戦争・災害等):危難終了から1年が経過後に申立可能
・失踪宣告が認められると、その人は死亡したものとみなされ相続人でなくなる
当事務所でできること・専門家の役割分担
当事務所でできること・専門家の役割分担
連絡の取れない相続人がいる中で、こんな状況になっていませんか?
・何年も連絡が取れない兄弟がいて、相続手続きが完全に止まっている
・住所を調べようにも、どこに問い合わせればいいかわからない
・一人で進めようとしたら、後でトラブルになりそうで不安
相続に伴う行方不明者の所在確認のサポート・相続手続き全体の進行整理・必要書類の準備は行政書士が担当できます。不在者財産管理人の申立・調停・審判の代理が必要な場合は、必要に応じて提携の弁護士・司法書士をご紹介します。
🏛 行政書士(当事務所)
遺産分割協議書の作成
相続関係説明図の作成
各種相続書類の収集・整理
遺言書作成のサポート
⚖ 司法書士(ご紹介)
不動産の相続登記
(2024年4月より義務化)
📊 税理士(ご紹介)
相続税の申告・納税手続き
準確定申告
まとめ
まとめ
まず
所在確認(住民票・戸籍の附票・弁護士会照会)
経過を記録として残しておくことが重要
次に
不在者財産管理人の選任(民法第25条・予納金10万円程度〜)
管理人が遺産分割協議に参加して手続きを進められる
長期
不在
失踪宣告(民法第30条・普通失踪7年・危難失踪1年)
認められると相続人でなくなる
【免責事項】
本記事は一般的な情報提供を目的としており、法的助言を提供するものではありません。個別の事情により手続きや結果が異なる場合がありますので、具体的なご相談は専門家にお問い合わせください。