はじめに

はじめに

農地を相続した場合、一般の不動産と異なる手続きが必要です。中でも見落としがちなのが農業委員会への届出です。相続登記とは別に10か月以内という期限があります。

この記事では、農地相続で最初にやるべき手続き(農業委員会への届出)の流れ・必要書類・相続登記との関係を中心に解説し、その後の選択肢についても説明します。

農業委員会への届出(10か月以内・必須)

STEP 1農業委員会への届出(10か月以内・必須)
📋 農地法第3条の3とは
農地法第3条の3は、相続等によって農地を取得した場合に農業委員会への届出を義務づけた条文です。農地は食料生産に関わる特殊な財産のため、所有者情報を農業委員会が把握し、耕作放棄地の発生を防ぐことが目的です。
売買・贈与と異なり農業委員会の「許可」は不要ですが、「届出」は義務です。この届出は農地の権利取得を確認するためのもので、権利取得の効力を発生させるものではありません。
⚠ 相続登記(3年以内)より届出期限(10か月)が先に来る
農業委員会への届出期限は相続を知った日からおおむね10か月以内です。相続登記(不動産登記法第76条の2・3年以内)と混同しがちですが、全く別の手続きで期限も異なります。農地がある場合は届出期限を先に確認してください。
怠ると10万円以下の過料が科される場合があります。
📋 届出の手順(3ステップ)
1
届出書を入手する
農地の所在する市区町村の農業委員会窓口またはウェブサイトで書式を入手。農林水産省「農地相続ポータル」でも確認可能。
2
必要書類を準備する
①届出書(農地法第3条の3の様式) ②相続登記済みの登記簿謄本(全部事項証明書)など相続を確認できる書類
※届出は相続登記が完了した後でないとできません(登記簿謄本が必要なため)
3
農業委員会に提出する
受理通知書が交付されます。書式や添付書類は農業委員会によって異なる場合があるため、事前に窓口に確認することをおすすめします。
⚠ 遺産分割が長引く場合は全員の連名で先に届出を
誰が農地を相続するか決まっていなくても届出期限は待ってくれません。遺産分割協議が長引く場合はいったん相続人全員の連名で届出を行い、協議成立後に改めて届出し直す方法があります。
📋 三重県内 主要市の農業委員会連絡先
※農地の所在する市町村の農業委員会に届出してください。変更の可能性があるため、事前に各市のウェブサイトでご確認ください。
津市 059-229-3176
津市西丸之内23番1号
四日市市 059-354-8271
四日市市諏訪町1番5号
松阪市 0598-53-4137
松阪市殿町1340番地1
鈴鹿市 059-382-9018
鈴鹿市神戸一丁目18番18号
伊勢市 0596-21-5652
伊勢市岩渕1丁目7番29号
桑名市 0594-24-1206
桑名市中央町2丁目37番地
上記以外の市町は三重県公式サイト「農地相談 農業委員会連絡先」でご確認ください。

相続登記との関係・手続きの順序

STEP 2相続登記との関係・手続きの順序
① 遺産分割協議・協議書作成
誰が農地を引き継ぐか決定
行政書士がサポート
② 相続登記(法務局)
3年以内・義務化
司法書士が担当
③ 農業委員会届出
登記完了後・10か月以内
行政書士がサポート
📋 農地・山林は納税通知書に載らない場合がある
評価額が低い農地・山林は固定資産税の免税点(30万円)を下回り、納税通知書に記載されないことがあります。「通知書に載っていないから農地はない」は誤りです。市区町村役場で名寄帳(なよせちょう)を取得して、課税・非課税を問わず全ての不動産を確認しておくことが重要です。

農地の売買・転用の許可制度

STEP 3農地の売買・転用の許可制度

農地を売ったり他の用途に変える(転用)場合は、農地法による許可が必要です。相続登記・農業委員会届出が完了した後の話になります。

📋 農地のまま売買する場合(農地法第3条)
農業委員会の許可が必要
買主は農業従事者に限られる(一般の人への売却は不可)
📋 他の用途に転用する場合(農地法第4条・第5条)
市街化区域内の農地
届出のみで転用可(許可不要)
農業委員会への届出書を提出するだけで完了。手続きが比較的簡単。
市街化調整区域・その他の農地
都道府県知事等の許可が必要
審査に時間がかかり許可されないケースも。青地(農用地区域)は原則転用不可。
※自分の農地を転用する場合は第4条、転用して第三者に売却する場合は第5条が適用されます。まずは農業委員会窓口に相談することをおすすめします。

農地相続後の主な選択肢

STEP 4農地相続後の主な選択肢
農業継続 農業委員会への届出のみで可。相続登記と届出を忘れずに。
農地のまま売却・貸付け 農業委員会の許可(農地法第3条)が必要。買主・借主は農業従事者のみ。
転用後に売却・活用 都道府県知事等の許可(農地法第4条・第5条)が必要。市街化区域は届出のみ。青地は原則不可。
相続土地国庫帰属制度(2023年4月施行) 一定の要件を満たす農地は国への帰属が可能。負担金あり(20万円程度)。申請先:法務局

当事務所でできること

当事務所でできること

こんな状況になっていませんか?

農業委員会への届出期限(10か月)が迫っているが手続きが進まない
遺産分割協議がまだ済んでいないため、農地をどうするか決められない
戸籍収集から遺産分割協議書の作成・農業委員会届出まで一括でサポートしてほしい

農業委員会への届出サポート・遺産分割協議書の作成・農地転用申請は行政書士が対応できます。登記は司法書士、相続税は税理士にご相談ください。

🏛 行政書士(当事務所)
戸籍収集代行
遺産分割協議書の作成
農業委員会届出・農地転用申請サポート
⚖ 司法書士(ご紹介)
相続登記(所有権移転)
(2024年4月より義務化)
📊 税理士(ご紹介)
農地の相続税評価
相続税の申告

三重県鈴鹿市の行政書士事務所

農地の相続手続きについてお気軽にご相談ください

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まとめ

まとめ
10か月
以内
農業委員会への届出(農地法第3条の3)
相続登記(3年以内)とは別。登記完了後に届出→怠ると10万円以下の過料
売買
転用
市街化区域は届出のみ・調整区域は許可が必要
農地法第3条(売買)・第4条・第5条(転用)|青地は原則転用不可
手放す
選択肢
相続土地国庫帰属制度(2023年4月施行)
一定要件の農地は国への帰属可|負担金あり(20万円程度)
【免責事項】本記事は一般的な情報提供を目的としており、法的助言を提供するものではありません。農地の手続きは専門性が高いため、農業委員会・税理士・行政書士等の専門家にご相談ください。

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