はじめに

はじめに

相続した家を「貸す」という選択をする方もいます。空き家対策・収益確保の観点からは有効な選択肢ですが、事前に確認すべき法的・税務的な注意点があります。

この記事では、賃貸に出す前に確認すべきこと・共有名義の場合のルール・税務上の注意点・管理の実務まで詳しく解説します。

賃貸に出す前に確認すべきこと

STEP 1賃貸に出す前に確認すべきこと
名義(相続登記)の完了を確認 未登記のまま賃貸に出すと賃料の帰属が不明確になり、義務化違反にもなる(不動産登記法第76条の2)
共有状態の有無を確認 共有名義の場合は賃貸の同意要件が異なる(下記参照)
建物の状態を確認 老朽化・耐震性・設備の不具合等をチェック。必要に応じてリフォームが必要
管理体制の整備 遠方の場合は不動産管理会社への委託を検討
⚠ 相続登記を先に完了させることが重要

未登記のまま賃貸に出すと①賃料収入の帰属が不明確になる②2024年4月施行の相続登記義務化に違反する(過料リスク)という問題が生じます。賃貸に出す前に相続登記を完了させることを強く推奨します。

共有名義の場合の同意要件

STEP 2共有名義の場合の同意要件
📋 行為の種類による同意要件の違い
管理行為(賃貸借契約の締結):共有持分の過半数の同意で可(民法第252条第1項)
変更行為(大規模改修・建替え等)全員の同意が必要(民法第251条)

※「全員の同意が必要」という誤解が多いですが、賃貸借契約自体は過半数で足ります。ただし他の共有者に無断で進めることはトラブルの原因になります。

⚠ 無断で賃貸に出すと損害賠償リスク

共有者の同意なく勝手に賃貸に出した場合、他の共有者から損害賠償請求を受けるリスクがあります。事前に共有者全員に説明・同意を得ることが重要です。

税務上の注意点

STEP 3税務上の注意点
📋 賃貸に出すと確定申告が必要(所得税法第26条)
賃料収入は不動産所得として所得税・住民税の確定申告が必要
必要経費:固定資産税・管理委託料・修繕費・減価償却費等を計上可能
相続した建物の減価償却も活用できる(被相続人の取得価額を引き継ぐ)
固定資産税は賃貸に出しても引き続き発生

税務の詳細は税理士にご相談ください。

賃貸管理の実務的な注意点

STEP 4賃貸管理の実務的な注意点
契約形態の選択 普通借家(更新あり・借主保護が強い)vs 定期借家(更新なし・期間満了で確実に退去)。将来自己使用の可能性があれば定期借家が安全
修繕義務 建物の修繕は原則として貸主(所有者)の義務(民法第606条)
退去時の原状回復 賃借人負担の範囲・敷金の精算が後日トラブルになりやすい
遠方の場合 不動産管理会社への委託(管理委託料は経費計上可)が現実的

当事務所でできること

当事務所でできること
🏛 行政書士(当事務所)でできること

相続手続き全体の整理・遺産分割協議書の作成・相続登記のための書類準備を行政書士がサポートします。賃貸契約は不動産会社・税務は税理士・登記は司法書士との連携も可能です。

「賃貸に出すか売却するか決めていない」という方も、まずはお気軽にご相談ください。

まとめ

まとめ
まず
登記
相続登記を完了させてから賃貸に出す
未登記のまま賃貸は賃料帰属不明・義務化違反のリスク
共有
名義
賃貸借契約は過半数の同意で可(全員不要)
民法第252条第1項|ただし無断での賃貸は損害賠償リスクあり
税務
注意
賃料収入は不動産所得として確定申告が必要
所得税法第26条|経費計上・減価償却の活用は税理士へ
【免責事項】
本記事は一般的な情報提供を目的としており、法的助言を提供するものではありません。個別の事情により手続きや結果が異なる場合がありますので、具体的なご相談は専門家にお問い合わせください。

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