はじめに
はじめに
相続した家を「貸す」という選択をする方もいます。空き家対策・収益確保の観点からは有効な選択肢ですが、事前に確認すべき法的・税務的な注意点があります。
この記事では、賃貸に出す前に確認すべきこと・共有名義の場合のルール・税務上の注意点・管理の実務まで詳しく解説します。
賃貸に出す前に確認すべきこと
STEP 1賃貸に出す前に確認すべきこと
①名義(相続登記)の完了を確認 未登記のまま賃貸に出すと賃料の帰属が不明確になり、義務化違反にもなる
2026.03.31
はじめに
はじめに
2024年4月1日から、相続登記が法律上の義務となりました。期限内に行わないとペナルティが課されます。過去の相続も対象のため、「うちは関係ない」とは言えません。
この記事では、義務化の内容・...
②共有状態の有無を確認 共有名義の場合は賃貸の同意要件が異なる(下記参照)
2026.03.27
はじめに
はじめに
相続で複数の相続人が不動産を引き継いだ場合、遺産分割が決まらないまま「とりあえず共有名義」になってしまうことがあります。
共有名義の不動産は売れるのでしょうか。答えは「条件次第で売れる」です...
③建物の状態を確認 老朽化・耐震性・設備の不具合等をチェック。必要に応じてリフォームが必要
④管理体制の整備 遠方の場合は不動産管理会社への委託を検討
⚠ 相続登記を先に完了させることが重要
未登記のまま賃貸に出すと①賃料収入の帰属が不明確になる②2024年4月施行の相続登記義務化(不動産登記法第76条の2)に違反する、という問題が生じます。賃貸に出す前に相続登記を完了させることを強く推奨します。
共有名義の場合の同意要件
STEP 2共有名義の場合の同意要件
📋 行為の種類による同意要件の違い
・管理行為(賃貸借契約の締結):共有持分の過半数の同意で可
民法第252条第1項
・変更行為(大規模改修・建替え等):全員の同意が必要
民法第251条
つまり、賃貸借契約自体は全員の同意がなくても過半数で足ります。ただし他の共有者に無断で進めることはトラブルの原因になります。
⚠ 共有名義の場合、確定申告は全員が各自で行う必要がある
賃料収入が代表者1人の口座に入金されている場合でも、確定申告は各共有者が自分の持分割合に応じて個別に行う必要があります。代表者がまとめて申告することは誤りです。
例:兄弟2人で1/2ずつ共有→それぞれが年間賃料収入の1/2を不動産所得として申告する
⚠ 無断で賃貸に出すと損害賠償リスク
共有者の同意なく勝手に賃貸に出した場合、他の共有者から損害賠償請求を受けるリスクがあります。事前に共有者全員に説明・同意を得ることが重要です。
契約形態の選択:普通借家か定期借家か
STEP 3契約形態の選択:普通借家か定期借家か
普通借家契約
期間終了後も更新あり。借主の権利が強く保護されるため、「戻って住みたい」「売りたい」と思っても簡単には退去してもらえない。
将来自己使用・売却を検討しているなら要注意。
定期借家契約
期間満了で確実に退去してもらえる(更新なし)。将来的に売却・自己使用の可能性がある場合に適している。
相続した実家の賃貸には定期借家が安全なケースが多い。
税務上の注意点
STEP 4税務上の注意点
📋 賃貸に出すと確定申告が必要
・賃料収入は不動産所得として所得税・住民税の確定申告が必要
所得税法第26条
・必要経費として計上できるもの:固定資産税・管理委託料・修繕費・減価償却費等
・相続した建物の減価償却(建物の価値が毎年少しずつ費用として計上できる仕組み)も活用できる
・固定資産税は賃貸に出しても引き続き発生する
税額の計算・確定申告・減価償却の計算はすべて税理士の業務です。必ずご相談ください。
当事務所でできること
当事務所でできること
こんな状況になっていませんか?
・相続登記がまだ済んでおらず、賃貸に出す前に手続きを整理したい
・共有名義のまま相続が確定しておらず、誰が何を引き継ぐか決まっていない
・賃貸に出すか売却するかまだ決めていないが、まず相続手続きだけ進めたい
賃貸契約は不動産会社、税務は税理士、登記は司法書士が担当します。当事務所では遺産分割協議書の作成・戸籍収集をサポートし、必要な専門家をご紹介します。
🏛 行政書士(当事務所)
戸籍収集代行
遺産分割協議書の作成
相続手続き全体のサポート
⚖ 司法書士(ご紹介)
相続登記(所有権移転)
(2024年4月より義務化)
📊 税理士(ご紹介)
不動産所得の確定申告
減価償却の計算・節税相談
まとめ
まとめ
まず
登記
相続登記を完了させてから賃貸に出す
未登記のまま賃貸は賃料帰属不明・義務化違反のリスク
共有
名義
賃貸借契約は過半数の同意で可・確定申告は各自で
代表者がまとめて申告するのは誤り。持分割合に応じて各人が申告
契約
形態
将来売却・自己使用の可能性があれば定期借家契約が安全
普通借家は借主保護が強く、退去してもらいにくい
【免責事項】本記事は一般的な情報提供を目的としており、法的助言を提供するものではありません。個別の事情により手続きや結果が異なる場合がありますので、具体的なご相談は専門家にお問い合わせください。