はじめに

「亡くなった親が生命保険に入っていたかどうかわからない」という方は意外と多いです。

生命保険は申請しなければ支払われません。

確認・請求を怠ると、本来受け取れる保険金を逃してしまうことがあります。

この記事では、加入確認の方法・請求の流れ・保険金と相続の関係まで解説します。

加入状況の確認方法

STEP 1加入状況の確認方法

「親が生命保険に入っていたかも」とは思っても、どこの保険会社か分からないと手の打ちようがないですよね。まずは、加入の手がかりを探すところから始めます。次の順番で確認してみてください。

保険証券を探す 自宅・貸金庫・重要書類フォルダなどを確認
通帳の引き落とし履歴を確認 保険料の口座振替の有無を調べる
心当たりの保険会社へ直接問い合わせ
生命保険契約照会制度を利用する (下記参照)
📋 生命保険契約照会制度(2021年7月開始)

相続人等が生命保険協会を通じて、全加盟保険会社に対し一括照会できる制度です。

照会できる内容:死亡保険金・入院保険金・満期保険金等の契約の有無
申請者:相続人・法定代理人等
費用:7,000円(税込)※WEBの場合は6,000円
結果通知まで:約14営業日(約3週間程度)
申請方法:生命保険協会の公式サイト(Web)または郵送
📋 照会の必要書類
照会代表者の本人確認書類1種類(運転免許証・マイナンバーカード・健康保険の資格確認書・住民票・印鑑登録証明書のいずれか)
法定相続人であることが確認できる書類(法定相続情報一覧図、または故人との関係を示す戸籍
故人の死亡が確認できる書類(死亡診断書など。①②の戸籍に死亡日の記載があれば不要)

※詳細は生命保険協会の公式サイト(www.seiho.or.jp)でご確認ください。

📋 照会制度の対象・対象外(一括照会で見つかるもの/見つからないもの)

照会制度は生命保険協会の加盟会社のみが対象です。次の保険は別のルートで確認する必要があります。

⭕ 照会できるもの
・生命保険協会の加盟保険会社と契約した保険
・死亡保険・医療保険・がん保険
・個人年金保険・養老保険
・かんぽ生命(日本郵政の生命保険)
✕ 照会できないもの
共済(JA共済・県民共済・コープ共済・全労済 等)
少額短期保険(少短)
団体信用生命保険(住宅ローン関連)
団体定期保険(勤務先の福利厚生)
・一部の外資系・少額短期保険会社
💡 共済は各共済団体へ直接問い合わせ、団体信用生命保険は住宅ローンの貸付先(銀行等)、団体定期保険は故人の勤務先の人事・総務担当に確認します。
⚠ 相続放棄を検討している方へ|照会は早めに動いてください

照会の結果通知まで約3週間かかります(混雑時はそれ以上)。

戸籍収集や他の財産調査も合わせると、結果が出るまで1〜2か月かかることがあります。

相続放棄の期限は相続を知った日から3か月です。保険の有無を確認してから放棄するか判断したい場合、亡くなった直後から動かないと期限に間に合わないことがあります。

3か月以内に判断が間に合わない場合は、家庭裁判所に「熟慮期間の伸長」を申し立てる選択肢があります。早めに弁護士・司法書士にご相談ください。

請求の流れ・必要書類

STEP 2請求の流れ・必要書類

加入している保険会社が分かったら、いよいよ請求です。といっても、保険会社に電話すれば必要書類一式を送ってくれるので、流れに沿って進めれば大丈夫です。ただ、入金までは思ったより時間がかかります。目安はこちら。

1
保険会社へ連絡・死亡保険金の請求手続きの案内を受ける
→ 数日で請求書類一式が郵送されてくる
2
必要書類を準備・提出
→ 戸籍・死亡診断書・印鑑証明書などを集めるのに1〜2週間
3
保険会社の審査
→ 通常5営業日程度。災害死亡保障(割増金)・自殺・事故・契約から日が浅い場合などは調査に1か月以上かかることもあります
4
指定口座へ保険金の入金
→ 標準的なケースは死亡から1か月程度、調査が入る場合は2〜3か月かかることも
📋 保険金請求の必要書類(照会制度とは別)
死亡診断書(または死体検案書)のコピー
保険証券
故人の住民票除票または戸籍謄本
受取人の本人確認書類
保険会社所定の請求書

※金融機関ごとの取扱・保険金額・契約内容・受取人の関係により必要書類が異なる場合があります。

⚠ 請求権の時効(保険法第95条)

生命保険金の請求権は3年で時効消滅します。多くの保険会社は時効後も支払いに応じる場合がありますが、早めの請求が確実です。

保険金と相続の関係

STEP 3保険金と相続の関係

「生命保険って、相続でどう扱われるの?」というご質問はよくいただきます。実は受取人が誰に指定されているかで扱いがガラッと変わります。まずは下の表で、ご自身のケースを確認してみてください。

📋 受取人の指定パターン別・扱いの一覧

保険証券の「受取人」欄を確認し、ご自身のケースに近いものを探してみてください。

受取人の指定
財産の性質
遺産分割
相続放棄しても受け取れるか
個人名(例:「太郎」)
受取人固有の財産
対象外
⭕ 受け取れる
「相続人」(包括的指定)
受取人固有の財産(判例)
対象外
⭕ 受け取れる
法定相続分で分配
故人本人(被相続人)
相続財産
対象
✕ 受取不可
受け取ると放棄不可
指定なし(空欄)
約款による
約款による
⚠ 保険会社に要確認

※「受取人固有の財産」とは、相続財産ではなく受取人自身のお金になる、という意味です(最高裁昭和40年2月2日判決ほか)。

📋 相続税の課税はどうなる?(みなし相続財産・非課税枠)
タップで詳細 ▼

死亡保険金は相続財産ではありませんが、相続税法上は「みなし相続財産」として相続税の課税対象となります(相続税法第3条第1項第1号)。

非課税枠:500万円 × 法律上の相続人の数(相続税法第12条)

※ただし相続放棄をした人は、非課税枠(500万円×相続人数)が使えません。基礎控除は使えます。具体的な計算・申告は税理士の業務です。

⚠ 相続放棄を検討中の方へ|判断のポイント
タップで詳細 ▼

受取人の指定によって、相続放棄しても受け取れるか変わります。判断に迷う場合や、保険金以外に放棄を考えている財産がある場合は、自己判断せず専門家にご相談ください。

相続放棄の前にやってはいけない行動については、以下の記事で詳しく解説しています。

当事務所でできること

当事務所でできること

保険会社への請求は、書類が揃えばご自身でも進められます。ただ、保険の手続きが終わっても、次は銀行・不動産・年金……と相続手続きは続きます。こんな段階でお手伝いさせていただくことが多いです。

保険・銀行・不動産と手続きが山積みで、仕事の合間に進める時間がない
何から手をつければいいかわからず、気づいたら何週間も経っていた
一人で抱えていて、手続きが正しく進んでいるか不安になってきた

戸籍収集・遺産分割協議書の作成・銀行や不動産の手続きの整理は、行政書士の業務範囲です。三重県鈴鹿市を拠点に、三重県全域に対応しています。保険の手続きと並行して相続全体を進めたい方は、お気軽にご相談ください。

🏛 行政書士(当事務所)
遺産分割協議書の作成
相続関係説明図の作成
各種相続書類の収集・整理
遺言書作成のサポート
⚖ 司法書士(ご紹介)
不動産の相続登記
(2024年4月より義務化)
📊 税理士(ご紹介)
相続税の申告・納税手続き
準確定申告

「生命保険の請求は終わったけれど、次は何をすればいいのか」——ご家族のご逝去後、保険の手続きを一通り終えた段階でご相談に来られる方は多いです。一つひとつの手続きを進めるたびに、次の課題が見えてくる。それが相続です。

「全部任せたい」でも「途中から手伝ってほしい」でも、どちらでも構いません。今どこで詰まっているか、お聞かせいただければ、必要なところからお手伝いします。

まずはお気軽にご相談ください。

行政書士髙橋 大輔

三重県鈴鹿市の行政書士事務所

相続手続きについてお気軽にご相談ください

初回相談無料・オンライン対応可

対応業務・費用・対応エリアを確認する →無料相談のお問い合わせはこちら →LINEで無料相談する →

お電話・メール・LINEにて受付中

まとめ

まとめ

ここまでの内容を、ぎゅっと4つにまとめておきます。後で見返すときの目印にお使いください。

加入
確認
生命保険契約照会制度(一括照会・7,000円・約3週間)
共済・少短・団信は照会対象外。それぞれ別ルートで確認を
請求
の流れ
連絡→書類提出→審査→入金で、通常1か月程度
災害死亡保障・事故・自殺・契約直後は調査で2〜3か月かかることも
請求
期限
保険法第95条により3年で時効消滅
時効後も対応する会社もあるが早めの請求が確実

⚠ 3年以内に請求を

相続
との
関係
受取人の指定によって扱いが変わる
個人名・「相続人」指定は受取人固有の財産。故人本人指定は相続財産

📋 相続放棄前は要確認

【免責事項】
本記事は一般的な情報提供を目的としており、法的助言を提供するものではありません。個別の事情により手続きや結果が異なる場合がありますので、具体的なご相談は専門家にお問い合わせください。