はじめに
はじめに
遺言書を作ろうと思ったとき、「どんな書類が必要なの?」と疑問に思う方は多いのではないでしょうか。
遺言の種類によって必要な戸籍の範囲は異なります。また、財産を渡したい相手が相続人(子・配偶者など)か、相続人以外(孫・内縁の配偶者・第三者など)かによっても変わってきます。
この記事では、遺言書の作成に必要な戸籍の範囲を遺言の種類別・受遺者別に解説します。
遺言の種類と必要な戸籍
STEP 1遺言の種類と必要な戸籍の違い
遺言書には主に3つの種類があります。種類によって戸籍が必要な場面・範囲が異なります。
自筆証書遺言
自分で全文・日付・氏名を手書きして押印する遺言。
・作成時に戸籍は原則不要
・法務局保管制度を利用する場合は本人の戸籍が必要
公正証書遺言
公証役場で公証人が作成する遺言。最も確実な方法。
・本人と受遺者の戸籍が必要
・受遺者の種類によって必要書類が変わる
法務局保管制度
自筆証書遺言を法務局に預ける制度(2020年7月〜)。
・本人の戸籍謄本が必要
・死後に検認手続きが不要になる
自筆証書遺言に必要な戸籍
STEP 2自筆証書遺言に必要な戸籍
自筆証書遺言を自宅で保管する場合、作成時に戸籍は原則として必要ありません。全文・日付・氏名を自筆で書き、押印すれば完成です。
⚠ 自宅保管のリスク
自宅で保管した自筆証書遺言は、死後に家庭裁判所での検認手続きが必要です。また紛失・改ざんのリスクもあります。法務局の保管制度の利用をおすすめします。
📋 法務局保管制度を利用する場合の必要書類
・自筆証書遺言書(法務局所定の様式に準拠したもの)
・遺言者本人の戸籍謄本(作成日から3か月以内)
・住民票(本籍地記載あり・3か月以内)
・本人確認書類(運転免許証・マイナンバーカード等)
・保管申請書(法務局窓口またはウェブサイトで取得)
手数料:3,900円(1件)。事前予約が必要です。
公正証書遺言に必要な戸籍
STEP 3公正証書遺言に必要な戸籍
公正証書遺言を作成する際は、公証役場に持参する書類として戸籍が必要です。財産を渡す相手(受遺者)が誰かによって必要な書類が変わります。
📋 共通して必要な書類(遺言者本人分)
・遺言者の戸籍謄本
・遺言者の印鑑証明書(実印)
・遺言者の住民票または本人確認書類
受遺者別の追加必要書類:
👨👩👧 受遺者が相続人(子・配偶者・父母など)の場合
・受遺者と遺言者の続柄が確認できる戸籍謄本(3か月以内)
・受遺者の住民票(3か月以内)
遺言者の戸籍に受遺者が記載されている場合は、同一の戸籍1通で続柄を確認できます。
👶 受遺者が孫の場合
・孫と遺言者の続柄が確認できる戸籍謄本(孫の親(子)の戸籍を経由して確認・3か月以内)
・孫の住民票(3か月以内)
孫は戸籍が別になっているため、遺言者→子→孫と続柄をたどる戸籍が必要になる場合があります。
💑 受遺者が内縁の配偶者の場合
・遺言者の戸籍謄本(婚姻関係がないことの確認・3か月以内)
・内縁の配偶者の戸籍謄本(3か月以内)
・内縁の配偶者の住民票(3か月以内)
内縁関係は戸籍上の婚姻ではないため、遺言書がなければ財産を受け取ることができません。遺言書の作成が特に重要です。
📝 受遺者が養子の場合
・養子縁組が記載された遺言者の戸籍謄本(養親子関係の確認・3か月以内)
・養子の住民票(3か月以内)
養子は法律上の相続人のため、遺言者の戸籍に養子縁組の記載があれば続柄を確認できます。
🏢 受遺者が第三者(友人・知人・法人など)の場合
個人の場合:
・受遺者の住民票(3か月以内)
・続柄の確認は不要(戸籍謄本は不要な場合が多い)
法人(会社・団体など)の場合:
・法人の登記事項証明書(法務局で取得)
第三者への遺贈は相続人の遺留分に注意が必要です。詳細は公証役場または行政書士にご相談ください。
📋 もらわない側の相続人の戸籍は作成時には不要
公正証書遺言の作成時点では、財産を渡す相手(受遺者)の続柄を確認することが目的です。特定の子に遺贈する場合でも、財産を渡さない他の子の戸籍は作成時には必要ありません。
ただし遺言書の内容を実現する段階(死後の銀行・法務局への手続き)では、他の相続人の存在確認のために出生〜死亡の戸籍一式が必要になります。これは通常の相続手続きと同じです。
⚠ 公証役場によって必要書類が異なる場合があります
上記は一般的な必要書類です。公証役場によって求められる書類が異なる場合があります。事前に最寄りの公証役場に確認するか、行政書士にご相談ください。
相続人以外に遺贈する場合の注意点
STEP 4相続人以外に遺贈する場合の注意点
相続人以外の方(内縁の配偶者・孫・友人・第三者など)に財産を渡したい場合、遺言書の作成は有効な手段ですが、遺留分(法律上相続人が最低限受け取れる割合)には注意が必要です。
📋 遺留分とは
遺留分(民法第1042条)とは、配偶者・子・父母などの法定相続人(兄弟姉妹を除く)が最低限受け取れる財産の割合です。
遺言書ですべての財産を第三者に遺贈した場合でも、相続人から遺留分侵害額請求(金銭請求)をされる可能性があります。遺言書の内容を決める前に、遺留分への影響を確認しておきましょう。
⚠ 内縁の配偶者・第三者への遺贈は特に注意
内縁の配偶者や第三者は相続人ではないため遺留分がありませんが、法定相続人から遺留分侵害額請求を受けるリスクがあります。遺言書の内容・分け方については事前に専門家にご相談ください。
当事務所でできること
当事務所でできること
遺言書の作成を考え始めたとき、こんなことで迷っていませんか?
・自筆と公正証書、どちらで作ればいいかわからない
・内縁の配偶者や孫に財産を渡したいが、どう書けばいいかわからない
・相続人ともめないような遺言書の内容にしたい
行政書士は遺言書の作成サポートが可能です。必要書類の整理・公証役場との連絡調整・遺言書の文案作成まで対応できます。公証役場への同行も承ります。
🏛 行政書士(当事務所)
遺言書の作成サポート
相続関係説明図の作成
各種相続書類の収集・整理
⚖ 司法書士(ご紹介)
不動産の相続登記
(2024年4月より義務化)
📊 税理士(ご紹介)
相続税の申告・納税手続き
準確定申告
まとめ
まとめ
自筆
遺言
自宅保管なら作成時の戸籍は原則不要
法務局保管制度を利用する場合は本人の戸籍謄本が必要
公正
証書
遺言者の戸籍+受遺者の続柄確認書類が必要
受遺者が相続人以外の場合は住民票・登記事項証明書等が必要
遺留
分注意
相続人以外への遺贈は遺留分侵害に注意
内容を決める前に専門家への相談をおすすめします
【免責事項】
本記事は一般的な情報提供を目的としており、法的助言を提供するものではありません。個別の事情により手続きや結果が異なる場合がありますので、具体的なご相談は公証役場または専門家にお問い合わせください。