はじめに
はじめに
相続手続きでは、亡くなった方の預金残高を証明する「残高証明書」が必要になります。相続税の財産評価や遺産分割の基礎となる重要な書類です。
この記事では、残高証明書の役割・口座の洗い出し方法・取得手順を詳しく解説します。銀行口座の相続手続きについては「銀行口座が凍結されたらどうする?」の記事もあわせてご覧ください。
残高証明書とは・なぜ必要なのか
STEP 1残高証明書とは・なぜ必要なのか
残高証明書とは、特定の日付における預金残高を金融機関が証明する書類です。相続手続きでは通常死亡日時点の残高を取得します。
📋 残高証明書が必要な場面
・相続税の財産評価:死亡日の残高を基準に評価(相続税法第22条)
・遺産分割協議:相続財産の全体像を把握するための基礎資料
・相続放棄の判断:預金と借金のバランスを確認するための資料
⚠ 残高証明書と払戻し手続きは別物
残高証明書は「残高を確認する書類」です。実際に払い戻しを受けるには、遺産分割協議書の作成・相続人全員の合意等を経て、別途払戻し手続きを行う必要があります。
口座を洗い出す方法(深掘り)
STEP 2口座を洗出す方法
「どの金融機関に口座があるかわからない」という場合は、次の方法で洗い出しができます。
・通帳・キャッシュカード・郵便物を確認 金融機関からの封書・明細書・通知書を探す
・銀行の取引明細書(過去分) 残高通知や明細に金融機関名が記載されている
・確定申告書の利子所得欄 利子を受け取っていた金融機関が分かる
・スマートフォンのアプリ インターネットバンキングのアプリが残っている場合あり
・各金融機関への照会 心当たりのある金融機関に直接問い合わせる
📋 信用情報機関への照会(借入状況を確認し、借入金融機関で口座がないかを確認)
信用情報機関は預金口座の有無を調べる機関ではありませんが、亡くなった方の借入・ローン・クレジットカードの利用状況を確認できます。
※借入金融機関やクレジットカードの引き落とし口座で口座の存在を確認できます。
KSC(全国銀行個人信用情報センター)
・対象:銀行・信用金庫・信用組合等の借入情報
・相続人本人:郵送で開示請求可能(戸籍謄本・本人確認書類等が必要)
・手数料:1,000円
CIC(割賦販売法・貸金業法指定信用情報機関)
・対象:クレジットカード・割賦販売・消費者金融等の情報
・相続人本人:郵送で開示請求可能(戸籍謄本・相続関係確認書類等が必要)
・手数料:1,500円程度
JICC(日本信用情報機構)
・対象:消費者金融・信販会社・クレジット会社等の情報
・相続人本人:郵送で開示請求可能(戸籍謄本・相続関係確認書類等が必要)
・手数料:1,000円程度
※手続き詳細・必要書類は変更される場合があります。各機関の公式サイトで最新情報をご確認ください。
⚠ 相続放棄の期限(3か月)との関係に注意
開示結果の到着まで数週間かかる場合があります。相続放棄の期限(民法第915条第1項)が迫っている場合は、早めに請求するか、家庭裁判所に期間の伸長を申し立てることをご検討ください。
📋 より広範な照会が必要な場合
弁護士会照会(弁護士法第23条の2)を利用することで、弁護士が金融機関に対してより広範な照会を行うことができます。
残高証明書の取得手順
STEP 3残高証明書の取得手順
1
各金融機関の窓口または電話で相続による残高証明書の発行を申請
3
残高証明書が発行される(即日〜2週間程度。手数料770〜1,100円程度が多い)
📋 一般的な必要書類
・死亡の事実が分かる書類(死亡診断書のコピーまたは住民票の除票)
・戸籍謄本(申請者と亡くなった方の関係が分かるもの)
・申請者(相続人)の本人確認書類
・通帳・口座番号(分かる場合)
※金融機関ごとに必要書類が異なる場合があります。事前に各窓口にご確認ください。
当事務所でできること
当事務所でできること
🏛 行政書士事務所(三重県)のサポート内容
口座の洗い出し・残高証明書の取得支援・遺産分割協議書の作成・金融機関への払戻し手続きサポートを行政書士がお手伝いします。
「口座数が多くて大変」「どこから手をつければいいか分からない」という方も、まずはお気軽にご相談ください。
まとめ
まとめ
残高証明書取得のポイントをまとめると次のとおりです。
基準日
死亡日時点の残高を取得(相続税評価の基準)
相続税法第22条|財産評価の基準日は死亡日
口座
洗出
通帳・郵便物・確定申告書・アプリで確認
不明な場合は心当たりの金融機関に直接照会
注意
点
残高証明書の取得と払戻し手続きは別物
払戻しは遺産分割協議後に別途手続きが必要
【免責事項】
本記事は一般的な情報提供を目的としており、法的助言を提供するものではありません。個別の事情により手続きや結果が異なる場合がありますので、具体的なご相談は専門家または各金融機関窓口にお問い合わせください。