はじめに

はじめに

実家を相続したとき、「売るべきか、残すべきか」で迷う方は非常に多いです。思い出のある家を手放すことへの抵抗感と、維持コストへの不安が入り混じって、判断が先延ばしになりがちです。

しかし「とりあえず残す」は思わぬリスクになることがあります。固定資産税は払い続け、建物は傷み、売りたいと思ったときには相続人が増えていて身動きが取れない——そういった事態が実際に起きています。

この記事では、売る・貸す・残すの判断基準・空き家放置のリスク・3,000万円特別控除の条件・共有名義の問題まで詳しく解説します。

まず考える:売る・貸す・残すの判断軸

STEP 1まず考える:売る・貸す・残すの判断軸

選択肢は大きく3つです。それぞれに向いているケースを整理します。

売る
・誰も住む予定がない
・維持費・管理が負担
・相続人が複数いる
・遠方にあって管理できない
→ 早めに動くほど税制優遇が使いやすい
貸す
・将来的に自分や子が使う可能性がある
・立地がよく賃貸需要がある
・売却タイミングを見極めたい
→ 管理会社費用・入居者対応を考慮する
残す
・数年以内に居住する予定がある
・建替え・リフォームを計画している
・維持費を負担できる
→「目的のある保有」が前提
⚠「いつか誰かが使うかもしれない」は実務上「利用予定なし」と同じ

具体的な時期・誰が・どう使うかが決まっていない場合、残す合理的な理由はありません。維持費だけがかかり続け、建物は傷み、気づけば売れない状態になっていたというケースが多くあります。

空き家を放置するリスク

STEP 2空き家を放置するリスク
固定
資産税
増税
「特定空家」に指定されると固定資産税が最大6倍
適切な管理がされていない空き家は「特定空家」に指定される可能性があります(空家等対策特別措置法)。指定されると住宅用地特例(固定資産税の軽減措置)が解除され、税額が最大6倍になる場合があります。
所有者
責任
老朽化した建物が第三者に損害を与えると所有者責任
空き家が老朽化して倒壊・破損し、隣家や通行人に損害を与えた場合、所有者として工作物責任を負う可能性があります(民法第717条)。
維持費
負担
何もしなくても費用がかかり続ける
固定資産税・都市計画税・火災保険料・管理費(庭木剪定・清掃等)・将来の修繕費。年間数十万円の持ち出しになるケースも珍しくありません。

売却する場合の税制優遇と期限

解体するのも一つの案です。↓
STEP 3売却する場合の税制優遇と期限
📋 相続空き家の3,000万円特別控除(租税特別措置法第35条の3)

一定の要件を満たす空き家を売却した場合、譲渡所得から3,000万円を控除できる制度です。

期限:相続開始から3年を経過する日の属する年の12月31日まで
対象:昭和56年5月31日以前に建築された戸建て(旧耐震基準の建物)
条件:耐震基準適合またはリフォーム済み、もしくは建物取壊し後の土地売却
マンションは対象外。昭和57年以降建築の戸建ても対象外。詳細は税理士にご確認ください
⚠ 「3年経ってから売ろう」は控除を受けられなくなる可能性

売却を検討している場合は、相続開始から3年以内に動き始めることが重要です。期限を過ぎると数百万円の節税機会を失うことになります。早めに税理士へご相談ください。

貸す場合の注意点

STEP 4貸す場合の注意点

「売るのは忍びない、でも維持費が心配」という場合、賃貸に出す選択肢があります。ただし、いくつかの注意点があります。

メリット
家賃収入が入る
将来の売却・居住の選択肢を残せる
建物の劣化を抑えられる
注意点
入居者トラブル・設備故障への対応が必要
管理会社費用(家賃の5〜10%)がかかる
入居中は自分や家族が住めない

「将来取り戻せる契約」にしたい場合は定期借家契約が有効です。通常の普通借家契約は入居者の権利が強く、正当事由なく退去させることができません。将来自分や子どもが住む可能性がある場合は、不動産会社に相談の上、契約形態を選びましょう。

共有名義になっている場合の問題

STEP 5共有名義になっている場合の問題

相続人が複数いる場合、遺産分割協議が決まらないまま共有名義になっているケースがあります。共有名義では全員の同意なしに売却も賃貸もできません(民法第251条)。

⚠ 共有名義を放置すると次の相続でさらに複雑化する

兄弟で共有→兄が亡くなり兄の子3人が相続→さらにその子が相続…と繰り返すうちに、共有者が数十人になる事態も実際に起きています。「後で決めればいい」が最も危険な選択です。

共有状態を解消するには遺産分割協議書で誰が引き継ぐかを決め、相続登記を行う必要があります。

当事務所でできること

当事務所でできること

こんな状況になっていませんか?

売るか残すか決まらないまま、固定資産税だけ払い続けている
相続人が複数いて、誰が家を引き継ぐか決まっていない
売却を検討しているが、遺産分割協議書がまだ作れていない

売却・賃貸・相続登記のいずれの場合も、まず遺産分割協議書が必要です。戸籍収集から協議書の作成まで行政書士がサポートします。相続登記は提携司法書士、税務は提携税理士をご紹介します。

🏛 行政書士(当事務所)
戸籍収集代行
遺産分割協議書の作成
相続関係説明図の作成
⚖ 司法書士(ご紹介)
相続登記(所有権移転)
共有持分の移転登記
📊 税理士(ご紹介)
3,000万円特別控除の相談
相続税・譲渡所得税の申告

三重県鈴鹿市の行政書士事務所

実家の相続・売却・遺産分割についてお気軽にご相談ください

初回相談無料・オンライン対応可

対応業務・費用・対応エリアを確認する →無料相談のお問い合わせはこちら →LINEで無料相談する →

お電話・メール・LINEにて受付中

まとめ

まとめ
最重要
「なんとなく残す」は思わぬリスクになる
目的のない保有は維持費・リスクだけが積み重なる。使わないなら早めに判断を
税制
期限
3,000万円特別控除は相続開始から3年が目安
売却を検討するなら早めに税理士へ。期限超過で控除を受けられなくなる
共有
名義
放置すると次の相続でさらに複雑化する
遺産分割協議書で誰が引き継ぐか決め、相続登記を進めることが先決
【免責事項】本記事は一般的な情報提供を目的としており、法的助言を提供するものではありません。個別の事情により手続きや結果が異なる場合がありますので、具体的なご相談は専門家にお問い合わせください。

《 関連記事 》