はじめに
はじめに
相続で複数の相続人が不動産を引き継いだ場合、遺産分割が決まらないまま「とりあえず共有名義」になってしまうことがあります。
共有名義の不動産は売れるのでしょうか。答えは「条件次第で売れる」です。ただし、共有者全員の同意がなければ全体を売ることはできません。また持分だけを売ることはできますが、買い手が限られ価格も大きく下がります。
この記事では、共有名義の売却方法・共有解消の手順・連絡が取れない共有者への対処法・共有状態になる前に防ぐ方法まで詳しく解説します。
共有名義とは・売却の基本ルール
STEP 1共有名義とは・売却の基本ルール
共有名義とは、1つの不動産を複数人がそれぞれの割合(持分)で所有している状態です。相続で遺産分割が決まらないまま登記すると自動的に法定相続分での共有名義になります。
全体を売却する場合
共有者全員の同意が必要(民法第251条)
相場通りの価格で売却でき、代金を持分に応じて分配できる。1人でも反対すれば手続きは止まる。
持分だけを売却する場合
単独で売却可能(民法第206条)
他の共有者の同意不要。ただし一般の買い手はつきにくく、買取業者への売却が中心になる。
⚠ 持分だけ売ると価格が相場の5〜7割になることも
共有持分は買い手が「他の共有者がいる不動産」を取得することになるため、一般的な買い手はつきません。買取業者への売却が現実的ですが、相場より大幅に低い価格になるケースがほとんどです。他の共有者との協議を諦める前に、全体売却の可能性を探ることをおすすめします。
共有状態を解消する3つの方法
STEP 2共有状態を解消する3つの方法
1
持分の買取協議(任意)
特定の共有者が他の共有者の持分を買い取る。全員が合意すれば最もスムーズに解消できる。遺産分割協議書で合意内容を書面にする。
2026.03.25
はじめに
はじめに
「遺産分割協議って何をすればいいの?」「銀行や法務局から書類を求められたけど、何から始めればいいかわからない」——相続手続きを進めようとして、最初に壁にぶつかるのが遺産分割協議です。
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2
共有物分割協議(民法第251条)
共有者全員の合意により、現物分割・換価分割・代償分割のいずれかで解消する。合意があれば訴訟を経ずに解決できる。
3
共有物分割請求訴訟(民法第258条)
協議が整わない場合に裁判所へ請求。換価分割(競売で売却・代金分配)・代償分割(一人が取得し他に代償金)・現物分割のいずれかが命じられる。弁護士への依頼が必要。
連絡が取れない・高齢の共有者がいる場合
STEP 3連絡が取れない・高齢の共有者がいる場合
共有者の中に連絡が取れない方・認知症の方がいると、協議が進められなくなります。それぞれに対応策があります。
連絡が取れない共有者がいる
住民票・戸籍の附票で現住所を調査。それでも行方不明の場合は家庭裁判所に
不在者財産管理人の選任を申立てる(民法第25条)。管理人が協議に参加できる。
2026.03.24
はじめに
はじめに
「相続人が何人いるのかもわからない」「連絡を取ったことがない親族がいる」——相続人が多いケースでは、こういった状況から手続きが始まることがあります。
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認知症で判断能力がない共有者がいる
本人が協議書に署名・押印できないため手続きが止まる。家庭裁判所に成年後見人の選任を申立てる必要がある。後見人が本人に代わって協議に参加できるが、売却が本人の利益にならないと判断されると家庭裁判所が許可しないケースもある。早めに専門家へ相談することが重要。
印鑑を押さない共有者がいる
任意の協議での解決が難しい場合、家庭裁判所への
調停申立て→不成立なら
審判・訴訟へ進む。弁護士への依頼が現実的。
2026.03.24
はじめに
はじめに
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共有状態を放置するとどうなるか
STEP 4共有状態を放置するとどうなるか
⚠ 次の相続が発生するたびに共有者が増えていく
兄弟3人で共有→兄が亡くなり兄の子2人が相続→さらにその子が相続…と繰り返すうちに共有者が10人・20人になることがあります。共有者が増えるほど、全員の同意を得ることが困難になります。
また2024年4月から相続登記が義務化され、放置すると10万円以下の過料が科される可能性もあります。
2026.03.26
はじめに
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はじめに
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⚠ 共有者の一人が認知症になると手続きが止まる
元気なうちは協議できても、高齢の共有者が認知症になると成年後見制度を利用しなければならず、手続きが長期化します。「いつかやろう」と先延ばしにするほどリスクが高まります。
共有状態になる前に防ぐ方法
STEP 5共有状態になる前に防ぐ方法
最善策は遺産分割協議で誰が不動産を引き継ぐかを決めてから相続登記することです。共有名義での登記は「とりあえず」の選択ですが、後から解消する方が手間も費用もかかります。
遺産
分割
誰が引き継ぐかを遺産分割協議で決める
一人が取得する・売却して分ける・換価分割など。合意内容を遺産分割協議書に明記する
登記
遺産分割協議書をもとに相続登記(司法書士)
2024年4月義務化・3年以内に申請。相続人申告登記で義務履行も可能
遺言
被相続人が生前に遺言書で誰に渡すかを指定しておく
遺言があれば遺産分割協議が不要になり、共有になるリスクを防げる
当事務所でできること
当事務所でできること
こんな状況になっていませんか?
・相続で共有名義になっているが、誰も何もしていない
・共有者の一人と連絡が取れず遺産分割協議が進まない
・共有名義のまま売りたいが、誰に相談すればいいかわからない
遺産分割協議書の作成・戸籍収集は行政書士がサポートできます。相続登記・持分移転は提携司法書士、交渉・調停・訴訟は提携弁護士をご紹介します。まず現状の整理からお気軽にご相談ください。
🏛 行政書士(当事務所)
戸籍収集代行
遺産分割協議書の作成
相続関係説明図の作成
⚖ 司法書士(ご紹介)
相続登記
共有持分の移転登記
⚔ 弁護士(ご紹介)
共有者間の交渉・調停
共有物分割請求訴訟
まとめ
まとめ
全体
売却
共有者全員の同意が必要(民法第251条)
合意できない場合は共有物分割協議→調停→訴訟(民法第258条)へ
持分
売却
単独で売却可能だが価格が相場の5〜7割になることも
全体売却の可能性を探ってから検討する
放置
リスク
次の相続で共有者が増え、認知症で手続きが止まる
早めに遺産分割協議書を作成し、相続登記を進めることが先決
【免責事項】本記事は一般的な情報提供を目的としており、法的助言を提供するものではありません。個別の事情により手続きや結果が異なる場合がありますので、具体的なご相談は専門家にお問い合わせください。