「親も歳をとってきたし、そろそろ遺言書を書いてほしい」
「兄弟姉妹がいるから、揉めないように親に決めておいてほしい」
「でも、お金の話を切り出すのは気が引ける…」
親に遺言書のことを話すのは、なかなか勇気がいるものです。
ただ、ひとつ大切なことをお伝えしておきたいのは——遺言書には「もう書けない」というタイミングがあるということです。
この記事では、遺言書を書くために必要な条件・親に書いてもらいたいと思ったときに知っておきたい3つの変化・年代別の準備の進め方・今すぐ確認したいチェックリストを、わかりやすく解説します。
親御さんと一緒に読んでいただける記事を目指しました。
遺言書を書くには、ただ字が書けるだけでは足りません。
「自分のしていることの意味を理解して、判断できる力」が必要です。これを判断能力と呼びます。
遺言書は15歳以上であれば書けます。
ただし、認知症などで判断する力がなくなってしまった状態で書いた遺言書は、後から無効と言われてしまうことがあります。
「せっかく書いたのに、結局使えなかった」——こうしたケースが意外と多いのです。
公正証書遺言という方法を使うと、公証役場の人が本人と直接話して「判断する力があるか」を確認してくれます。
この記録が残るので、後から「あのときボケていた」と言われても無効にされにくいという良さがあります。
医療現場で使われる認知症の検査です。
30点満点で、点数が低いほど認知症の症状が進んでいると判断されます。
「親に遺言書を書いてもらいたい」と考えている場合、まだ判断能力がしっかりしているうちに動くことが大切です。
▶ 検査項目を見る(クリックで開閉)
長谷川式認知スケール(HDS-R)の9つの質問項目です。
医師や看護師などが本人に質問しながら、合計30点で評価します。
「お歳はいくつですか?」(2年までの誤差は正解)
「今日は何年何月何日ですか?何曜日ですか?」(年・月・日・曜日それぞれ1点)
「私たちが今いるところはどこですか?」(自発的に答えられたら2点・ヒントで答えられたら1点)
「これから言う言葉を覚えてください」
例:桜・猫・電車(または梅・犬・自動車)
「100から7を引いてください」(93)
「それからまた7を引くと?」(86)
「6-8-2を逆から言ってください」(2-8-6)
「3-5-2-9を逆から言ってください」(9-2-5-3)
④で覚えた3つの言葉を思い出してもらう(自発的に答えられたら各2点・ヒントで答えられたら各1点)
時計・鍵・タバコ・ペン・硬貨など5つの物を見せて、隠した後に何があったかを答えてもらう
知っている野菜の名前をできるだけ多く挙げてもらう(10秒以内に出ないと終了・5個まで0点・6個目から1点ずつ加算)
※あくまで医療現場で使われる検査です。実際の判断は医師が行います。
「いつ書けばいいの?」というのはよく聞かれる質問です。
明確なタイミングはありませんが、人生の中で次のような変化があったときが書きどきです。
「うちの親は何歳だから、今は何をすればいいの?」という疑問もあると思います。
年代ごとに準備できることをまとめました。
この表を見て気づくのは、準備が遅くなるほど、できることが少なくなっていくということです。
ご両親が今50代・60代なら、まだまだ選択肢はたくさんあります。
70代になっても、判断能力があれば公正証書遺言は作れます。
大事なのは「気づいたとき」に動くことです。
最後に、ご家族の状況をチェックしてみてください。
1つでも当てはまる場合は、専門家への相談をおすすめします。
1人でも反対すると、手続きが止まってしまいます。
遺言書に書いて初めて意味を持ちます。
早めに概算を知っておくと、対策の選択肢が広がります。
「親に遺言書を書いてほしい」というのは、決して冷たい話ではありません。
むしろ、家族の関係を大切にしたいからこそ出てくる気持ちです。
親御さんの方も、子どもたちの将来を思って遺言書を書きたいと思っていることが多いものです。
ただ「どこから手をつければいいか分からない」「面倒くさそう」と感じて、なかなか踏み出せないだけかもしれません。
判断する力があるうちに動くこと——これが、ご家族を守る一番確実な方法です。
不安なことがあれば、ぜひ一度ご相談ください。親御さんと一緒にお話を伺うこともできます。
こんな状況の方からご相談いただいています。
親御さんと一緒のご相談、お子さま方のみのご相談、どちらも対応しています。
ご家族の状況をお聞きした上で、遺言書の作成から公証役場での手続きまでトータルでサポートします。
三重県鈴鹿市の行政書士事務所
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