「相続対策って大事だと聞くけれど、何から始めればいいかわからない」——そんなお気持ちの方も、多いのではないでしょうか。
実は、相続対策には3つの柱があります。「分配(誰に何を渡すか)」「税金(相続税の負担)」「資金(納税資金の確保)」のどれかが欠けると、せっかくの備えがうまく働きません。
この記事では、相続対策の全体像から、認知症への備え、具体的な準備ステップ、ご家庭タイプ別の検討ポイントまで、三重県鈴鹿市の行政書士がわかりやすく整理します。どこから読んでも大丈夫です。
相続対策の3つの柱
「相続対策」とひとことで言っても、実はカバーすべき分野が3つあります。この3つは独立しているようで、実はつながっているもの。1つだけ整えても、他が抜けていると思わぬところで困ることになるんです。
準備しないと、ご家族間の話し合い(遺産分割協議)で意見が分かれ、手続きが長引くことも。
準備しないと、想定外の税金が発生することも。ただし全員に必要ではなく、課税対象かどうかで決まります。
準備しないと、相続税を払うために不動産を急いで売ることになる場合も。
相続税には「基礎控除」というラインがあります。遺産総額がこれ以下なら、相続税はかかりません。
税金対策が必要かどうかは、まずこの基礎控除を超えるかどうかが目安。具体的な試算は税理士業務ですが、ざっくり判断するだけならご自身でもできます。
生命保険を使った資金確保について、こちらで詳しく解説しています。
生前の備え:認知症対策も忘れずに
相続対策というと「亡くなった後」の話と思われがちですが、実は「生きているうちの備え」も同じくらい大切なんです。特に見落とされがちなのが、認知症への備えです。
物事の判断が難しくなったと確認されると、ご本人名義の預貯金は引き出せず、不動産も売れなくなります。ご本人のお金が、ご本人のために使えない状態になるんです。
この認知症リスクへの備えには、主に3つの方法があります。
家族信託と任意後見は、判断能力があるうちにしか準備できません。だからこそ、相続対策と認知症対策は「セットで考える」ことが大切です。
認知症対策や家族信託について、もっと詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。
何から始める?相続準備の3ステップ
「3つの柱は分かったけれど、結局何から手をつければいいの?」というお声をよくいただきます。実務的には、次の3ステップで進めるのが分かりやすいです。
1
まずは、ご本人の財産がどこに何があるかを書き出します。完璧でなくて構いません、ざっくりで大丈夫です。
財産目録の作り方をもっと詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。
2
「誰が相続人になるか」を確認します。出生から現在までの戸籍を集めて、法定相続人を確定する作業です。ご家族構成が複雑な場合(前婚のお子さん・養子など)は特に大事なステップ。戸籍収集は当事務所でサポート可能です。
3
「誰に何を渡すか」をご本人が決めて、遺言書として残します。財産目録と相続人が見えていれば、自然と分配方針も決めやすくなります。遺言書の作成は当事務所でサポート可能です。
エンディングノートと遺言書の使い分けはこちらで詳しく解説しています。
いつ始める?タイミングと目安
「いつから始めればいいの?」というご質問もよくいただきます。明確な「いつから」はないのですが、目安として3つのタイミングがあります。
「まだ早いかな」と思う時期こそ、実は動きやすいタイミング。50代からエンディングノートで整理を始めれば、ご家族とも自然に話し合える雰囲気が作れます。
生命保険の加入可能年齢の上限が近づく頃。家族信託・遺言書・保険などをまとめて整える、本格的なスタート時期です。
何歳であっても、物事の判断が難しくなる前に動く必要があります。認知症が進んでからでは、遺言書も家族信託も原則作成できません。残るのは「法定後見」だけになります。
50代から始める相続対策について、こちらで詳しく解説しています。
ご家庭タイプ別の検討ポイント
相続対策は、ご家庭の状況によって優先順位や注意点が変わります。代表的な5つのタイプ別に、ポイントをご紹介します。
最も標準的なケース。配偶者亡き後の「二次相続」も視野に入れた設計が大事です。配偶者控除を活用しすぎると、子の代でかえって相続税が増えるケースもあります。生前贈与と相続のどちらが有利かを、お子さん世代も含めて検討することがポイントです。
配偶者だけでなく、亡くなった方のご兄弟(または甥・姪)も相続人になります。「配偶者にすべて渡したい」という場合は、遺言書が必須です。
突然のことが起きたときに、ご家族が混乱しやすいケース。財産の所在をご家族と共有しておく、エンディングノートで意向を残しておく、などの備えが特に大切です。
ご家族関係が複雑な場合、相続人の確定が難しくなります。前のご結婚のお子さんも法定相続人です。遺言書を作っておかないと、相続発生後に話し合いが難航するケースが多くあります。
相続発生後の手続きで、ご家族の署名・書類のやり取りに時間がかかります。事前に連絡先・必要書類の準備、遺言書での分配指定があると、ご家族の負担が大きく違います。
法定相続人ではない方(甥姪、お世話になった方、お子さんが健在のお孫さんなど)に財産を渡したい場合、遺言書による「遺贈」が必要です。遺言書がなければ、こうした方々には財産が渡りません。
「相続対策って、何から始めたらいいんでしょうか」——このようなご相談が、当事務所では一番多いかもしれません。
ここでお伝えしたいのは、「いきなり完璧を目指さなくていい」ということ。財産目録も、ざっくりで大丈夫。分配方針も、迷いながらで構いません。「まず動いてみる」こと自体に、大きな意味があります。
そして、相続対策は「分配・税金・資金」の3つの柱+認知症対策という、複数の専門領域にまたがります。当事務所では、その入口として、ご家庭の状況をお伺いし、必要に応じて司法書士・弁護士・税理士をご紹介しながら、全体を整えるお手伝いをしています。
「うちには何が必要か分からない」という段階でも構いません。むしろ、その段階からご一緒できるのが、私たち行政書士の役割だと思っています。一緒に整理させてください。
相続対策は、複数の専門領域にまたがります。当事務所では行政書士業務を担当しつつ、必要に応じて他の専門家をご紹介しています。
三重県鈴鹿市の行政書士事務所
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まとめ
本記事は一般的な情報提供を目的としており、法的助言・税務助言を提供するものではありません。個別の事情により最適な対策は異なるため、具体的なご相談は行政書士・司法書士・弁護士・税理士等の専門家にお問い合わせください。
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