はじめに

はじめに

事業承継は「経営権の集中・事業用資産の確保・親族間の公平性・納税資金の準備」をすべて同時に解決する必要があります。遺言は強力な武器ですが、それだけで完結するケースは稀です。

この記事では、遺言の役割と限界・事業承継税制の最新情報・遺留分対策・専門家との役割分担を詳しく解説します。

遺言だけでは不十分な3つのリスク

STEP 1遺言だけでは不十分な3つのリスク
① 経営のタイムラグ
死亡後に株式が動くため、遺言書の検認・名義変更が完了するまで数週間〜数か月の「意思決定の空白」が生じる
② 遺留分侵害による金銭請求(民法第1046条)
株式評価額が遺産の大半を占める場合、後継者以外の相続人から多額の現金請求を受けるリスクがある。2019年改正で金銭精算のみとなり株式を手放さずに済むが、支払い資金の準備が必要
③ 税制優遇の機会損失
相続(遺言)より生前贈与の方が有利な場合がある。事業承継税制(特例措置)は期限のある時限制度のため早期着手が重要

活用すべき税制・補助金

STEP 2活用すべき税制・補助金
📋 ① 法人版事業承継税制(特例措置)

非上場株式の承継に係る贈与税・相続税を100%猶予・免除できる強力な制度(経営承継円滑化法・租税特別措置法第70条の7の5等)。

⚠ 期限に注意
特例承継計画の提出期限:令和9年(2027年)9月30日まで
制度の適用期限:令和9年12月31日まで
継続要件を外れると猶予税額が即時納付になるため「出口戦略」の設計が不可欠
📋 ② 個人版事業承継税制

個人事業主の事業用資産(土地・建物・備品等)に対して同様の納税猶予制度がある。店舗・工場の承継に有効。中小企業庁より最新の認定案内が更新されている。

📋 ③ 事業承継・M&A補助金

承継後の設備投資や専門家(行政書士・税理士等)への委託費用を補助する制度。GビズIDプライムが必要な電子申請が基本。公募回ごとに枠が変動するため計画的な準備が必要。

株式承継における遺留分対策

STEP 3株式承継における遺留分対策
⚠ 株式評価額が高いと遺留分侵害額が膨らむ

例:総遺産5,000万円のうち株式評価額4,000万円→後継者以外の相続人の遺留分計算に株式が含まれる→他の相続人への遺留分支払いが必要になる可能性がある

対策①  死亡保険金(非課税枠500万円×法定相続人数)で遺留分支払いの原資を確保
対策②  生前に相続人全員の合意の上で遺留分放棄(民法第1049条・家庭裁判所の許可が必要)
対策③  生前贈与で段階的に株式を後継者に移転しておく(事業承継税制の活用も検討)
対策④  固定合意・除外合意(経営承継円滑化法第4条):後継者が取得した自社株を遺留分の計算対象から除外したり、評価額を固定したりできる強力な制度。家庭裁判所の許可が必要で後継者が申請主体となる。※詳細は税理士・弁護士にご相談ください

遺言か生前対策か:判断基準

STEP 4遺言か生前対策か:判断基準
検討項目
遺言中心でよいケース
生前対策を優先すべきケース
経営権の移転
死後に移れば十分
今すぐ・段階的に移したい
遺留分対策
財産に余裕がある
株式が資産の大半を占める
制度活用
特になし
事業承継税制・補助金を使いたい

当事務所でできること

当事務所でできること
🏛 行政書士(当事務所)でできること

遺言書の作成・補助金申請サポート・事業承継計画書の作成補助を行政書士が担当します。株価算定・税務対策は提携税理士、不動産・株式の名義変更登記は提携司法書士をご紹介します。

「まず何から手を付ければよいか分からない」という方も、まずはお気軽にご相談ください。

まとめ

まとめ
遺言
+α
遺言+生前贈与+税制+保険の全体設計が不可欠
遺言だけでは経営空白・遺留分・税制活用のすべては解決できない
期限
注意
特例承継計画:令和9年9月30日まで
制度の適用:令和9年12月31日まで|今すぐ着手が必要
専門家
連携
行政書士・税理士・司法書士の連携が不可欠
遺言作成・補助金は行政書士。株価算定・税務は税理士。登記は司法書士

📋 まずはお気軽にご相談を

【免責事項】
本記事は一般的な情報提供を目的としており、法的助言を提供するものではありません。事業承継・相続税の対策は税理士・行政書士等の専門家にご相談ください。

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