はじめに

はじめに

相続財産が不動産中心の場合、遺産分割でトラブルが発生しやすくなります。不動産は「物理的に分けられない・評価が難しい・現金化に時間がかかる」という三重の問題を抱えているからです。

この記事では、不動産相続で揉める理由・4つの分割方法・評価の問題・小規模宅地特例との関係を詳しく解説します。

不動産相続で揉める3つの理由

STEP 1不動産相続で揉める3つの理由
1
物理的に分けられない 建物は分割不可。土地も分筆(1つの土地を複数に分けること)できないケースが多い
2
評価方法で争いになる 相続税の計算には路線価(国税庁が定める評価額・実勢価格の7〜8割程度)を使うが、代償分割では時価(実際の売買価格)が基準になることが多く、この差が不公平感を生む
3
現金化に時間がかかる 売却には全員の合意・相続登記・買主探しが必要で、完了まで数か月〜数年かかることがある

不動産の4つの分割方法と特徴

STEP 2不動産の4つの分割方法と特徴
① 現物分割
土地は分筆できる場合あり。建物は原則不可。面積・価値が均等になりにくい
② 共有 ⚠ 最もトラブルになりやすい
相続人全員で持分を共有(民法第249条)。将来の売却・活用に全員の同意が必要。相続が世代をまたぐと共有者が増えて収拾がつかなくなる
③ 換価分割
不動産を売却して代金を分割。全員の合意が必要で意見がまとまらないケースが多い。自宅の場合、居住者がいると売却に反対されやすい
④ 代償分割 ✓ 実務上最も多い
1人が不動産を取得し他の相続人に現金(代償金)を支払う。最も実務的だが取得者に支払い能力が必要。生命保険で代償金を準備しておくのが有効

遺言+生命保険のセット設計

STEP 3遺言+生命保険のセット設計例
📋 不動産中心の相続で最も有効な設計例
遺言「自宅は長男に相続させる」と明記。
※共有を避け代償分割を前提とした分配を決める(民法第908条)
保険        長男が受け取る不動産の評価額を基に、他の相続人への代償金相当額を生命保険で準備する
📋 小規模宅地等の特例も意識した設計を

配偶者または同居の子に自宅を相続させる遺言にすれば、小規模宅地等の特例(租税特別措置法第69条の4)で居住用宅地330㎡まで評価額を最大80%減額できます。分配先と税務設計を合わせて考えることが重要です。

まとめ

まとめ
共有
NG
共有は将来トラブルの温床。遺言で取得者を決める
民法第249条|売却・活用に全員の同意が必要になる
代償
分割
1人が取得して他の相続人に現金を支払う方法が現実的
生命保険で代償金を準備しておくことが重要
特例
活用
小規模宅地特例を意識した分配先設計で80%評価減も可能
分配設計と税務対策を合わせて専門家に相談を

📋 まずはお気軽にご相談を

【免責事項】
本記事は一般的な情報提供を目的としており、法的助言を提供するものではありません。個別の事情により手続きや結果が異なる場合がありますので、具体的なご相談は専門家にお問い合わせください。

《 関連記事 》