はじめに

はじめに

「エンディングノートを書いたから大丈夫」という方がいますが、エンディングノートには法的効力がなく、財産の分け方を決めることはできません。

この記事では、エンディングノートと遺言の違い・遺言の3種類・法務局保管制度・遺言と遺産分割協議の関係を詳しく解説します。

エンディングノートと遺言の基本的な違い

STEP 1エンディングノートと遺言の基本的な違い
📋 エンディングノート
法的効力:なし
書式:自由
目的:希望・情報の伝達
効果:家族への参考情報にとどまる
📋 遺言書
法的効力:あり(民法第960条以下)
書式:法定の形式が必要
目的:財産の分割方法の決定
効果:相続人・受遺者(遺言で財産を受け取る人)を法的に拘束する
⚠ エンディングノートだけでは財産の分け方は決められない

エンディングノートに「長男に自宅を渡したい」と書いても、法的拘束力はなく、相続人間で遺産分割協議(誰が何を受け取るかを相続人全員で話し合うこと)が必要になります。財産の分け方を確実に実現するには遺言書が必要です。

遺言の3種類

STEP 2遺言の3種類
📋 ① 自筆証書遺言(民法第968条)
全文・日付・氏名を自書(手書き)し押印。財産目録(財産の一覧表)はパソコン作成可(2019年改正)
費用が低い。ただし形式不備で無効になるリスクあり。法務局保管制度(2020年施行)の活用を推奨
📋 ② 公正証書遺言(民法第969条)
公証人(法務大臣に任命された公的な証明を行う専門職)が作成。
証人(遺言の場に立ち会い内容を確認する人)2名が必要
最も確実。紛失・偽造・隠蔽のリスクなし。検認(後述)不要。費用がかかる
📋 ③ 秘密証書遺言(民法第970条)
内容を秘密にしたまま存在のみを公証。実務上は①か②が多い

自筆証書遺言の法務局保管制度(2020年施行)

STEP 3自筆証書遺言の法務局保管制度(2020年施行)
📋 遺言書保管法(2020年7月施行)のメリット
紛失・偽造・隠蔽のリスクがない
相続開始後の検認が不要(検認とは、家庭裁判所が遺言書の存在と形式を確認する手続き。通常の自宅保管の自筆証書遺言は開封前にこの手続きが必要)
相続人が死亡後に通知を受けられる制度あり
費用:3,900円(申請1件あたり)

申請先:遺言者の住所地・本籍地または所有不動産の所在地を管轄する法務局

エンディングノートが役立つ情報

STEP 4エンディングノートが役立つ情報

法的効力はありませんが、遺言と並行して作成することで家族の負担を大きく軽減できます。

金融機関・保険・年金の口座番号・証券番号等
デジタル遺産(SNS・ネットバンク等のID・パスワード)
緊急連絡先・かかりつけ医の情報
葬儀・お墓に関する希望
臓器提供の意思

当事務所でできること

当事務所でできること
🏛 行政書士(当事務所)でできること

遺言書の作成サポート(自筆証書・公正証書の準備補助)・遺産分割協議書の作成・相続手続き全体の整理を行政書士が担当します。

「遺言書を作ってみたいが何から始めればよいか分からない」という方も、まずはお気軽にご相談ください。

まとめ

まとめ
重要
エンディングノートに法的効力はない
財産の分け方を確実にするには遺言書が必要(民法第960条以下)
遺言
3種類
自筆証書・公正証書・秘密証書
実務上は自筆証書(法務局保管)か公正証書が多い
保管
制度
法務局の自筆証書遺言保管制度(2020年施行)
費用3,900円|検認不要(家庭裁判所での確認手続きが省ける)・紛失なし・通知制度あり

📋 公正証書遺言との比較はご相談を

【免責事項】
本記事は一般的な情報提供を目的としており、法的助言を提供するものではありません。個別の事情により手続きや結果が異なる場合がありますので、遺言書の作成は専門家にご相談ください。

《 関連記事 》