はじめに
離れて暮らすご両親が一人暮らしになり、「もしものとき、どうしたら…」と頭をよぎることはありませんか?
一人暮らしの高齢の親御さんの相続では、ご家族が財産の所在を把握しきれなかったり、ネットバンクやサブスクなど目に見えにくい資産が後から見つかったりするケースが少なくありません。
だからこそ、元気なうちに情報を整理しておくことが、何よりの備えになります。
この記事では、一人暮らしのご両親の相続で気をつけたいポイント、元気なうちにできる3つの備え、そして遠方からでもできる日常の見守りについて、順に解説していきます。
📋 この記事でわかること
・一人暮らしの親御さんの相続で気をつけたい3つのポイント
・元気なうちにできる3つの備え(財産目録・遺言書・判断能力があるうちの準備)
・遠方からでもできる、日常の見守り(4つの体制づくり)
・(補足)デジタル資産をお使いの場合の確認ポイント
・専門家のサポートで何が変わるか
一人暮らしの親御さんの相続で気をつけたい3つのポイント
離れて暮らすご両親の相続って、始まってみると「あれ、これどうすれば?」と立ち止まる場面が意外と多いんです。財産のこと、実家のこと、親御さんの体調のこと——あとから「もっと早く準備しておけばよかった」と感じやすい3つの場面を、順にご紹介していきますね。
1
財産の場所がわからず、調査に時間がかかる
通帳・印鑑・保険証券・不動産の権利書など、財産にまつわるものがあちこちに分散していると、ご家族が見つけるまでに数か月かかることも珍しくありません。「どの銀行に口座があるか」だけでも分かっていれば、その後の手続きはぐっとスムーズに進みます。
2
実家のことを決めずに先送りにすると、相続後に動かせなくなる
「実家は売るのか、誰が引き継ぐのか」——ここが決まっていないと、相続が始まってから名義の書き換え(相続登記)が進まず、売ることも担保にすることもできない状態になります。さらに、相続人が次々と亡くなって関係者が増えてくると、手続きにかかる時間も費用もどんどん膨らんでいきます。2024年4月からは相続登記が法律で義務になり、相続を知った日から3年以内に手続きしないと、10万円以下の過料の対象にもなります。お元気なうちに方針を決めておくことが、ご家族の負担を減らす一番のポイントです。
3
親御さんが認知症になると、財産の動きが止まる
親御さんの認知症が進んでしまうと、施設に入るための費用が必要でも、自宅を売ったり預金を引き出したりできなくなることがあります。こうした事態に備える仕組みとして、家族信託(司法書士・弁護士が設計します)や任意後見契約があります。これらはご本人の判断能力があるうちでないと利用できないため、検討するなら早めの動き出しが大切です。
2026.04.10
はじめに
「親が認知症になったら、預金や不動産はどうなるの?」——そんな疑問をお持ちの方も、少なくないかもしれません。
実は、認知症などで物事の判断が難しくなると、本人の財産は事実上「凍結」されます。
預金が引き出せない、自宅...
元気なうちにできる3つの備え
では、何から始めればいいのでしょうか。親御さんがお元気なうちにできる備えを、3つに分けてご紹介します。どれも難しいものではなく、少しずつ進めていけば大丈夫です。
通帳・証券・不動産・保険証券などの場所と内容を一覧にしておきます。「○○銀行に口座がある」「△△証券で投資信託を持っている」と分かるだけで、相続発生後の手続きスピードが大きく変わります。
💡 ポイント:難しい書類は必要なく、ノート1冊で始められます
「実家を残すのか売るのか」「誰が手続きを主導するのか」を、遺言書という形で残しておきます。遺言執行者(遺言の内容を実行する人)を指定しておけば、遠方にお住まいのご家族の負担を最小限にできます。
💡 ポイント:公正証書遺言にすれば、紛失や形式不備の心配もありません
遺言書の作成を具体的に検討したい方へ
当事務所では、文案の検討・必要書類の収集・公証役場との調整・当日の証人立会いまで一括でサポートします。
遺言書作成サポートの詳細を見る →
3
💼 判断能力があるうちに、必要な備えを済ませる
認知症が進んでしまうと、預金の引き出しや不動産の売却といった手続きが難しくなってしまいます。親御さんがお元気なうちに、銀行の代理人カードや予約型代理人サービスを利用したり、必要に応じて家族信託や任意後見の選択肢を司法書士・弁護士に相談したりしておきましょう。ご家族で「どうしたいか」を話し合っておくことも、大事な準備のひとつです。
💡 ポイント:判断能力があるうちでないと、これらの手続きはできなくなります
2026.07.09
はじめに
「相続対策って大事だと聞くけれど、何から始めればいいかわからない」——そんなお気持ちの方も、多いのではないでしょうか。
実は、相続対策には3つの柱があります。「分配(誰に何を渡すか)」「税金(相続税の負担)...
遠方からでもできる、日常の見守り
3つの備えと一緒に、日々の見守りの体制も整えておけると、もっと安心です。
これらは当事務所のサービスではないのですが、ご相談者の方から「これは助かりました」とお聞きしてきた取り組みを4つ、ご紹介します。
💳 金融面の備え
口座凍結への先回り
親御さんがお元気なうちに登録しておきましょう。いざというときの備えになります。
代理人カード予約型代理人サービス
👁 日常の見守り
毎日のつながり
毎日の様子を遠方から把握できて、異変にも早めに気づけます。
配食+安否確認郵便みまもり見守りカメラ
🏘 地域とのつながり
公的な支援を活用
親御さんがお住まいの地域とのつながりを、早めに作っておくと安心です。
地域包括支援センターかかりつけ医民生委員
🆘 緊急時の備え
駆けつけ&連絡の体制
いざというときに慌てないよう、情報と物の場所を整理しておきましょう。
救急医療情報キット緊急連絡先リスト合鍵の預け先
これらは、行政書士の業務ではご対応できないものも含まれます。当事務所では遺言や財産整理のご相談の中で、地域の窓口や信頼できる事業者の情報共有もしておりますので、お気軽にお尋ねください。
補足:デジタル資産をお使いの場合の確認
最近は、年配の方でもネット銀行や有料アプリを使っていらっしゃるケースが少しずつ増えてきました。もしご両親が利用されている場合、紙の通知が届かないため見落としやすく、念のため確認しておきましょう。「うちは関係ないかも」という方は、この章は飛ばしてしまって大丈夫です。
📱 まずは「あるかどうか」を発見する
スマホのアプリ一覧・クレジットカードの明細・郵便物(年に1回送られてくる残高通知など)を確認すれば、ネットバンク・ネット証券・有料サブスクリプションの存在をある程度つかめます。
📝 リストにまとめる
サービス名・ログインID・連絡先などをノートにまとめておくと、ご家族の調査負担が大きく減ります。パスワードそのものはセキュリティ上注意が必要なので、保管場所をご家族に伝えておく形が現実的です。
💰 財産になるもの・ならないものを知る
ネット銀行の残高やネット証券の株などは、相続できる財産です。一方、PayPay・LINE Pay・楽天ポイントなどは、サービスの規約により「ご本人だけのもの」とされていることが多く、相続できないケースがほとんど。サービスごとに扱いが違うので、見つけたら早めに確認しておきましょう。
⚠ サブスクの自動課金にご注意
動画配信・音楽配信・有料アプリなどのサブスクリプションは、契約者がお亡くなりになった後も自動課金が続くことがあります。クレジットカードの明細を確認し、不要なものは速やかに解約手続きを進めましょう。
遠くで暮らすご両親のことを案じていらっしゃる方は、本当にお優しい方ばかりです。
「親に万一のことがあったら、どうすればいいんだろう」
「離れているからこそ、できることをしておきたい」
——そんなお気持ちでご相談に来られる方が、たくさんいらっしゃいます。
親御さんと向き合うお話は、デリケートで切り出しにくいものです。
「いきなり遺言の話をするのは…」と感じられるなら、まずは財産目録のお話から始める、というアプローチもあります。
ご家族のかたちはそれぞれ違いますから、まずはお話を伺うことから始めさせてください。
鈴鹿市以外の地域にもお伺いします。
行政書士髙橋 大輔
当事務所のサポート
一人暮らしのご両親の相続対策では、こんなお悩みをよくお聞きします。
・親の財産がどこに何があるか、把握しきれていない
・遠方にいるため、頻繁に帰省して対応するのが難しい
・遺言書を作ってほしいけれど、親への切り出し方がわからない
当事務所では、財産目録の作成サポート・遺言書の起案・公証役場との調整・戸籍収集まで一括でお引き受けします。家族信託や不動産の登記が必要な場合は、信頼できる司法書士・弁護士をご紹介します。
「何から手をつければいいかわからない」という段階でも構いません。
お話を伺うところから始めさせてください。初回相談は無料です。
🏛 行政書士(当事務所)
財産目録の作成サポート
遺言書の起案
戸籍収集・相続関係説明図
遺産分割協議書の作成
⚖ 司法書士(ご紹介)
不動産の相続登記
家族信託の設計
(2024年4月より登記義務化)
📊 税理士(ご紹介)
相続税の試算・申告
準確定申告
まとめ
情報
整理
通帳・印鑑・保険証券・権利書などの場所を整理。デジタル資産がある場合はリストにまとめておくと安心
登記
義務
2024年4月施行の相続登記義務化に対応。3年以内に登記、または相続人申告登記で当面の対応
遺言
活用
遺言書で「誰に何を渡すか」を決め、遺言執行者を指定すれば遠方の家族の負担を軽減できる
専門家
連携
遺言・財産目録は行政書士、家族信託・相続登記は司法書士、相続税は税理士。当事務所がワンストップでご紹介
【免責事項】本記事は一般的な情報提供を目的としており、法的助言を提供するものではありません。個別の事情により手続きや結果が異なる場合がありますので、具体的なご相談は専門家にお問い合わせください。