はじめに

「先祖代々のお墓、この先どうしよう…」——ふとした瞬間に、そう感じることはありませんか?

お墓が遠方にあってなかなかお参りに行けない。跡を継ぐ人がいない。管理料だけを毎年払い続けている——。こうしたお悩みから、ご自身の代で「墓じまい」を検討される方が近年ぐんと増えています。厚生労働省の統計でも、改葬件数は2024年度に17万件を超え、過去最多となりました。

とはいえ、いざ調べてみると手続きの多さや費用の見当のつかなさに、かえって手が止まってしまう——そんなお声もよくうかがいます。

この記事では、墓じまいとは何かという基本から、手続きの流れ、費用相場、気をつけたいポイント、そして「墓じまいを生前対策の一部として考える」という視点まで、順に解説していきます。

📋 この記事でわかること
墓じまいとは何か(改葬との違い)
墓じまいの手続きの流れ(5つのステップ)
費用の相場と内訳
墓じまいで気をつけたい3つのポイント
墓じまいを「生前対策」の一部として考える視点

墓じまいとは?

墓じまいとは、今あるお墓からご遺骨を取り出し、墓石を撤去して更地に戻したうえで、墓地の使用権を管理者に返還することをいいます。

似た言葉に「改葬(かいそう)」がありますが、こちらはご遺骨を別の場所へ移すことを指す法律用語です。墓じまいをするとご遺骨の新しい納め先が必要になるので、多くの場合「墓じまい+改葬」がセットになります。

💡 墓じまい後、ご遺骨の主な行き先
永代供養墓/納骨堂/樹木葬/散骨/手元供養——など、選択肢は年々広がっています。ご家族の考え方やご予算に合わせて選ぶことができます。

墓じまいの手続きの流れ(5ステップ)

墓じまいには、着手からお墓が更地になるまでおおむね3か月〜1年ほどかかります。順を追って見ていきましょう。

1
👨‍👩‍👧 ご親族との話し合い

墓じまいで最も大切なのが、この最初のステップです。ご兄弟姉妹・親戚など、お墓に関わりのある方々に事前にご相談し、合意を得ておきましょう。事後報告になると、感情的なトラブルに発展してしまうケースが少なくありません。

💡 ポイント:「なぜ墓じまいをしたいのか」「ご遺骨をどこに移すか」を丁寧に共有しましょう
2
🏯 現在の墓地管理者・お寺への相談

お寺の檀家になっている場合は、ご住職に事情をお伝えし、墓じまいの意向を丁寧にご相談します。長年お世話になった感謝を伝えつつ、後述する離檀料の考え方についても事前に確認しておくと安心です。

💡 ポイント:いきなり業者に見積もりを取るのではなく、まずお寺への挨拶が先です
3
🪦 新しい納め先を決める

永代供養墓・納骨堂・樹木葬・散骨など、ご遺骨の新しい納め先を決めます。契約が済むと、改葬手続きに必要な「受入証明書」を発行してもらえます。この書類は後の役所手続きで必要になります。

💡 ポイント:石材店の選定と並行して進めると効率的です
4
📄 役所で「改葬許可申請」

ご遺骨を動かすには、現在お墓がある市区町村から「改葬許可証」の交付を受ける必要があります(墓地埋葬法に基づく手続き)。次の3点セットを揃えて申請します。

改葬許可申請書(役所の窓口またはウェブサイトで入手)
埋蔵証明書(現在のお墓の管理者が発行)
受入証明書(新しい納め先が発行)

手数料は無料〜1,500円程度と自治体により異なります。ご遺骨1体ごとに申請が必要な点にご注意ください。

⚠ 注意:改葬許可証なしにご遺骨を移すと墓地埋葬法違反となります
5
🙏 閉眼供養・墓石撤去・納骨

お墓から仏様の魂を抜く「閉眼供養(へいがんくよう/魂抜き)」を執り行ったうえで、石材店が墓石の解体・撤去を行い、区画を更地に戻します。取り出されたご遺骨は、改葬許可証を添えて新しい納め先へ移し、納骨します。

💡 ポイント:石材店は最低2社から見積もりを取り、内訳を比較しましょう

墓じまいにかかる費用の相場

墓じまいの総額は、お墓の広さ・立地・新しい納め先によって幅がありますが、一般的には50万〜130万円前後に収まるケースが多いようです(条件次第で30万円〜300万円まで振れます)。主な内訳は次のとおりです。

墓石の撤去工事
1㎡あたり10〜15万円が目安。区画が広いほど、立地が悪い(重機が入れない等)ほど高くなります。
閉眼供養のお布施
3〜10万円が目安。ご住職に墓地まで来ていただく場合は、お車代(5千円〜1万円)を別途お包みするのが一般的です。
離檀料
(該当時のみ)
お寺の檀家を離れる際にお渡しするお礼で、5〜20万円が目安。公営・民営墓地では発生しません。法的な支払い義務はなく、あくまで感謝の気持ちです。
改葬許可申請
無料〜1,500円程度/通。ご自身で進めれば実費のみで済みます。行政書士に代行を依頼する場合は別途報酬がかかります。
新しい納め先の費用
選ぶ供養方法で大きく変わります。合祀(合葬)墓なら数万円〜、樹木葬・納骨堂は30〜80万円、個別の永代供養墓は50〜150万円程度が目安です。

墓じまいで気をつけたい3つのポイント
1
親族への相談を、必ず先に済ませる
墓じまいのトラブルで最も多いのが、親族間の感情的な行き違いです。「一存で決めてしまった」となると、その後の関係に影を落とします。少し面倒でも、事前に丁寧な合意形成をしておくことが、結果的にいちばんの近道です。
2
離檀料の高額請求には、冷静に対応する
離檀料は法律上の支払い義務があるものではありません。「支払わないと遺骨を渡さない」といった請求があっても、法的根拠はありません。慌てて支払ったり書面にサインしたりせず、消費者センターや弁護士、行政書士など第三者にご相談ください。日頃からご住職と丁寧なコミュニケーションを取っておくことが、トラブル予防になります。
3
石材店・代行業者は複数から見積もりを
同じ工事内容でも、石材店によって費用が10万円以上変わることは珍しくありません。最低でも2社以上から見積もりを取り、内訳の書き方(撤去費・処分費・整地費など)まで比較しましょう。極端に安い業者は、ご遺骨や墓石を不法投棄していた事例もあり、注意が必要です。

墓じまいを「生前対策」の一部として考える

墓じまいをお考えの方の多くは、「子や孫に負担を残したくない」という想いをお持ちです。実はこのお気持ち、遺言書や生前対策と、根っこは同じところにあります。

墓じまいだけを単独で進めるより、次のような生前対策とセットで整理していくと、ご自身の想いをよりきちんと形にできます。

📝 遺言書で「墓じまい後の供養方法」を明記
「新しい納め先はどこにしてほしいか」「祭祀承継者は誰か」を遺言書に残しておけば、ご家族が迷わずに済みます。祭祀承継者の指定は民法897条で認められており、遺言でも可能です。
📒 財産目録に、墓じまいの契約書類も一緒に
永代供養の契約書・改葬許可証の控え・墓地管理料の引き落とし口座など、関連書類の保管場所をまとめておくと、ご家族の負担が大きく減ります。
💼 判断能力があるうちに進める
墓じまいには契約・署名・意思決定の場面が多くあります。認知症が進んでしまうと、ご本人での判断が難しくなるため、お元気なうちに動かれることを強くおすすめします。

墓じまいのご相談に来られる方は、みなさま口をそろえて「子どもに面倒をかけたくない」とおっしゃいます。

「自分の代で、きちんと整理しておきたい」

「ご先祖に申し訳ない気持ちもあるけれど、現実的に難しくなってきた」

——そうしたお気持ちを、たくさんお聞きしてきました。

 

墓じまいは、単なる「お墓の撤去」ではなく、ご自身が積み重ねてこられた人生を、次の世代にどう引き継ぐかというお話でもあります。

 

だからこそ、遺言書や生前対策と一緒にお考えいただくことで、より安心なかたちになります。

当事務所では、墓じまいそのものの工事は行いませんが、遺言書に「墓じまい後の供養方法」や「祭祀承継者」を残すサポート、必要な書類の整理のお手伝いをしております。

鈴鹿市以外の地域にもお伺いします。まずはお気軽にお声がけください。

行政書士髙橋 大輔

当事務所のサポート

墓じまいをきっかけに、こんなお悩みをお聞きすることがよくあります。

墓じまい後、どのように供養してほしいかを遺言に残したい
祭祀承継者を子ではなく甥や姪に指定したいが、可能か知りたい
墓じまいをきっかけに、全体の生前対策を整理したい

当事務所では、遺言書の起案・公証役場との調整・財産目録の作成サポート・戸籍収集までを一括でお引き受けします。墓じまいそのものの工事や離檀交渉のこじれには、信頼できる石材店・司法書士・弁護士をご紹介します。

「墓じまいを考えているが、あわせて何を準備すべきか整理したい」——そんな段階でもかまいません。初回相談は無料です。

🏛 行政書士(当事務所)
遺言書の起案
祭祀承継者の指定サポート
財産目録の作成
改葬許可申請の書類確認
⚒ 石材店(ご紹介)
墓石の撤去・処分
現地調査・見積もり
遺骨の取り出し
⚖ 弁護士(ご紹介)
離檀料の高額請求への対応
親族間トラブルの調整

三重県鈴鹿市の行政書士事務所

墓じまいと生前対策のご相談を承っております

初回相談無料・出張対応可

遺言書作成サポートの詳細を見る →無料相談のお問い合わせはこちら →LINEで無料相談する →

お電話・メール・LINEにて受付中

まとめ
親族
合意
墓じまいの最重要ステップ。事後報告を避け、事前に丁寧な話し合いを
改葬
許可
墓地埋葬法に基づく行政手続き。無許可でご遺骨を移すと違法になる
費用
把握
総額は50〜130万円が目安。石材店の相見積もりと離檀料の適正額確認がカギ
生前
対策
遺言書・財産目録とセットで整理することで、ご家族の負担を最小限に
【免責事項】本記事は一般的な情報提供を目的としており、法的助言を提供するものではありません。個別の事情により手続きや結果が異なる場合がありますので、具体的なご相談は専門家にお問い合わせください。費用相場・手数料等は執筆時点の情報であり、変動する可能性があります。

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