はじめに

はじめに

「子どもがいないから配偶者が全部相続できる」と思っている方は多いですが、実際には親や兄弟姉妹が共同相続人になることがあります。対策をしないと意図しない相手に財産が渡る可能性があります。

この記事では、子なし夫婦の法定相続分・遺言による対策・二次相続の問題・生命保険の活用を詳しく解説します。

子なし夫婦の法定相続人と相続分

STEP 1子なし夫婦の法定相続人と相続分(民法第900条)

子なし夫婦の場合、誰が相続人になるかは状況によって変わります。

父母
存命
配偶者 3/4 + 父母(直系尊属(親・祖父母等)) 1/4
父母1/4分は配偶者に渡らない
兄弟
姉妹
配偶者 3/4 + 兄弟姉妹 1/4
兄弟姉妹が複数いれば1/4を均等分割
甥・姪
兄弟姉妹が先に死亡→甥・姪が代襲相続(代わりに相続)
民法第889条第2項|再代襲(甥姪の子)は認められない

遺言による対策(兄弟姉妹には遺留分がない)

STEP 2遺言による対策
📋 子なし夫婦に有利な点:兄弟姉妹に遺留分がない

遺留分(最低限受け取れる権利)は、配偶者・子・父母にはありますが、兄弟姉妹・甥姪にはありません(民法第1042条)。

つまり、「全財産を配偶者に相続させる」という遺言を書けば、兄弟姉妹から遺留分侵害額請求を受けるリスクなしに配偶者に全財産を渡せます。

⚠ ただし父母(直系尊属)が存命の場合は遺留分あり

父母(または祖父母)が存命の場合は遺留分(1/3)があります。両親が存命の場合は、遺言で全財産を配偶者にと書いても、両親が遺留分侵害額請求を行う可能性があります。両親の生存状況を確認した上で対策を立てることが重要です。

二次相続まで一体で考える

STEP 3二次相続まで一体で考える
⚠ 配偶者が相続した後に配偶者が亡くなると?

自分が先に亡くなり配偶者が財産を相続した場合、配偶者が後に亡くなると今度は配偶者の兄弟姉妹(あるいは父母)が相続人になります。つまり自分の家族に渡るはずだった財産が、配偶者の親族に流れるリスクがあります。

対策①配偶者にも遺言書を作成してもらう お互いが「全財産を配偶者に」という遺言を作成しておく
対策②受益者連続型信託の活用(信託法第91条) 家族信託で「自分→配偶者→○○」という順番で受益者を指定しておく

生命保険と不動産の活用

STEP 4生命保険と不動産の活用
保険 死亡保険金の受取人を配偶者に指定しておくと、保険金は遺産分割(相続人全員での分け方の話し合い)の対象外となり配偶者が確実に受け取れる。非課税枠(500万円×法定相続人数・相続税法第12条)も活用可
不動産 不動産を兄弟姉妹との共有状態にしないために、遺言で不動産全体を配偶者に渡す設計にすることが重要。共有になると配偶者が自由に売却・活用できなくなる

まとめ

まとめ
要注意
子なし夫婦でも配偶者だけに全財産が渡るとは限らない
父母・兄弟姉妹・甥姪が共同相続人になるケースがある
遺言
有効
兄弟姉妹には遺留分がないので遺言で全財産を配偶者に渡せる
民法第1042条|父母が存命の場合は遺留分(1/3)に注意
二次
相続
配偶者にも遺言を作成してもらう・受益者連続型信託も有効
信託法第91条|子なし夫婦は二次相続まで一体で設計する

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本記事は一般的な情報提供を目的としており、法的助言を提供するものではありません。個別の事情により手続きや結果が異なる場合がありますので、具体的なご相談は専門家にお問い合わせください。

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