はじめに

はじめに

再婚家庭の相続は、一般的なケースより複雑でトラブルが起きやすいという特徴があります。「前妻・前夫の子と現在の配偶者が同じ相続人になる」という状況が、感情的な対立と法的な問題の両方を引き起こします。

この記事では、再婚家庭の相続人構成・遺留分の計算・遺言設計のポイント・養子縁組という選択肢を詳しく解説します。

再婚家庭の相続人と法定相続分

STEP 1再婚家庭の相続人と法定相続分
⚠ 前婚・後婚の別を問わず子はすべて法定相続人(民法第887条)

前妻・前夫との間の子も、現在の配偶者との間の子も、法律上は同じ立場の相続人です。婚姻関係の有無は関係ありません。

具体的な計算例:現配偶者+前婚の子1人の場合

現配偶者
1/2
前婚の
子1人
残り1/2(前婚・後婚の区別なし)

遺言設計のポイント

STEP 2遺言設計のポイント
1
現配偶者への配慮 「自宅を現配偶者に相続させる」と明記して、前婚の子との共有状態を避ける
2
前婚の子への遺留分対応 前婚の子にも遺留分(法定相続分の1/2)があるため完全排除は不可。遺言で渡す財産を遺留分以上に設定するか、生命保険で遺留分相当の現金を準備する
3
遺言執行者の指定 後婚の子が未成年の場合は特に、遺言執行者(遺言の内容を実行する人)(民法第1006条)を指定しておくと手続きがスムーズになる

遺留分の計算例

STEP 3遺留分の計算例(民法第1042条)
📋 例:遺産3,000万円・現配偶者+前婚の子1人
遺留分の対象:遺産全体の1/2=1,500万円
前婚の子の法定相続分:子は1人なので1/2(配偶者1/2・子1/2)
前婚の子の遺留分:1,500万円×1/2=750万円

「全財産を現配偶者に」という遺言を書いた場合、前婚の子から750万円の遺留分侵害額請求を受けるリスクがあります。

📋 対策:生命保険で遺留分相当額を準備

前婚の子を受取人として750万円以上の生命保険を準備しておくことで、遺留分侵害額請求を受けるリスクを大幅に軽減できます。保険金は遺産分割の対象外なので確実に渡せます。

養子縁組という選択肢

STEP 4養子縁組という選択肢

現配偶者の連れ子がいる場合、養子縁組(民法第792条)を行うことで法定相続人に加えることができます。

養子縁組のメリット:養子も法定相続人になり相続分が生じる。基礎控除(600万円×法定相続人数)も増える
注意点:相続人が増えることで遺産分割が複雑になる可能性がある。税理士・行政書士に相談した上で慎重に検討する

まとめ

まとめ
遺言
必須
前婚の子も法定相続人。遺言なしでは共有・対立が確定的
民法第887条|婚姻関係の有無にかかわらず子は相続人
遺留分
注意
前婚の子の遺留分は法定相続分の1/2。完全排除は不可
民法第1042条|生命保険で遺留分相当額を準備するのが有効
設計
遺言+生命保険の組み合わせが再婚家庭の基本設計
自宅は現配偶者へ・前婚の子へは保険金で対応

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【免責事項】
本記事は一般的な情報提供を目的としており、法的助言を提供するものではありません。個別の事情により手続きや結果が異なる場合がありますので、具体的なご相談は専門家にお問い合わせください。

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