はじめに

「相続税を少しでも減らしたい」——そう考えて対策を始めるのは当然のことです。
ただ、やり方を間違えると、節税のつもりが逆効果になってしまうことがあります。

この記事では、相続税対策でよくある6つの注意点を紹介します。
あなたやご家族の対策が問題ないかどうか、チェックしてみてください。
税務面の具体的な判断は必ず税理士にご相談ください。

気をつけたいこと①名義だけ変える(名義預金)

「子どもや孫の名義で口座を作って、そこにお金を貯めておけば相続財産にならないのでは?」と思っていませんか?実はこれは、税務調査で指摘されやすいケースのひとつです。

⚠ こんな状態だと「名義預金」と判断される可能性があります
名義人(お子さんやお孫さん)が口座の存在を知らない
通帳や印鑑を親が管理している
名義人が自由に使えない・使っていない

名義を変えただけでは贈与は成立しません。実質的にあなたのお金であると判断されれば、相続財産に含まれて課税されます。もしお子さんやお孫さんの名義で積み立てている口座があるなら、名義預金に該当しないかどうか、早めに税理士に確認されることをおすすめします

気をつけたいこと②死亡直前の「駆け込み贈与」

「体調が悪くなってきたから、今のうちに子どもにお金を渡しておこう」——この発想は要注意です。

⚠ 2024年改正:生前贈与の加算期間が3年→7年に延長されました
2024年1月1日以降の贈与から、亡くなる前7年以内の贈与は相続財産に加算されます。
つまり、亡くなる直前にお金を渡しても、節税効果が期待できません。

気をつけたいこと③不動産を使った過度な節税策

「不動産を買えば相続税が減る」と聞いたことはありませんか?たしかに不動産は現金より相続税評価額が低くなることが多いですが、やりすぎると認められないリスクがあります。

⚠ 「タワマン節税」等への税務当局の対応が厳しくなっています
路線価と実際の市場価格の差を利用した節税策が問題視されており、2024年以降は市場価格に基づいた評価への修正が増える傾向にあります。特に、亡くなる直前に不動産を取得した場合や、明らかに節税だけを目的とした購入は、認められないリスクが高まっています。

気をつけたいこと④節税ばかりに集中してしまう

相続対策というと「税金を減らすこと」に目が向きがちですが、本当に大切なのは3つのバランスです。

① 節税
相続税の負担を
できるだけ減らす
② 分け方
相続人同士のトラブルを
防ぐ遺産分割の設計
③ 納税資金
税金を払うためのお金を
確保しておく

たとえば、節税のために財産を1人に集中させた結果、他の相続人から遺留分を請求されてトラブルになるケースがあります。あなたのご家族が揉めないためにも、節税だけでなく「分け方」と「納税資金」もセットで考えてみてください。

気をつけたいこと⑤配偶者に全部渡してしまう

「配偶者には税額軽減があるから、とりあえず全部渡しておこう」——こう考える方は多いのですが、これには大きな落とし穴があります。

一次相続(あなたが亡くなったとき)
配偶者の税額軽減で税額0円
→「よかった、税金がかからない」
二次相続(配偶者が亡くなったとき)
配偶者の軽減がもう使えない
子に重い税負担がかかる可能性

一次相続と二次相続をセットで考えて、配偶者とお子さんにどう分けるかを設計しておくことが大切です。
この分け方の設計は、遺言書の作成と合わせて検討するのが効果的です。

気をつけたいこと⑥110万円の贈与を毎年同額で繰り返す

「毎年110万円ずつ贈与すれば非課税だから大丈夫」と思っていませんか?
これは実際にとても多いご相談ですが、やり方に注意が必要です。

⚠ 「定期贈与」とみなされるリスクがあります
毎年同じ時期に、同じ金額を、同じ相手に繰り返し贈与していると、「最初から合計額を贈与する約束だった」と税務署に判断される可能性があります。たとえば10年間×110万円なら、「1,100万円の贈与契約が最初からあった」とみなされ、贈与税がかかることがあります。

あなたのご家庭で毎年贈与をされている場合は、定期贈与とみなされないかどうか、税理士に確認されることをおすすめします

💬 節税だけを考えて遺言書を作ったものの、遺留分でトラブルになったケースをお手伝いしたことがあります。当事務所では遺言書の作成をサポートする際に、「この分け方で揉めないか」というバランスも一緒に考えます。

当事務所のサポート内容

相続税対策では、税務面だけでなく遺言書や遺産分割の設計も合わせて考える必要があります。
当事務所では遺言書の作成・遺産分割協議書の作成をお手伝いし、税務は提携税理士につなぎます。

🏛 行政書士(当事務所)
遺言書の作成サポート
遺産分割協議書の作成
相続手続き全体の窓口
⚖ 司法書士(ご紹介)
不動産の相続登記
(2024年4月より義務化)
📊 税理士(ご紹介)
相続税の申告・節税対策
生前贈与の設計

三重県鈴鹿市の行政書士事務所

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まとめ
名義
預金
名義を変えただけでは贈与にならない
贈与契約書の作成と、名義人本人による管理が必要
駆け込
7年以内の贈与は相続財産に加算される(2024年改正)
早期から計画的に進めることが大切
二次
相続
配偶者に全部渡すと二次相続で子に重い税負担
一次・二次をセットで考えた分け方の設計が必要
定期
贈与
同額を毎年繰り返すと「最初から全額の約束」とみなされる
該当するかどうかは税理士に確認を
バラ
ンス
節税・分け方・納税資金の3つをセットで考える
節税だけに偏ると、かえってトラブルになることも
【免責事項】本記事は一般的な情報提供を目的としており、法的助言を提供するものではありません。相続税対策は税理士が行う業務です(税理士法第52条)。個別の判断は必ず税理士にご相談ください。

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