はじめに

ご家族の中に、長年連絡を取っていない親族や、今どこに住んでいるか分からない方がいる

——そんなご事情を抱えていらっしゃるご家庭は少なくありません。

いざ相続が発生したとき、こうした「疎遠な相続人」がいるご家庭では、思いがけず手続きが進められなくなることがあります。

相続人のうちお一人でも連絡が取れないと、預金の解約や不動産の名義変更ができなくなってしまうのです。

この記事では、疎遠な相続人がいる場合に直面する3つの壁、事前にできる遺言での備え、今ある相続への対応を、整理してお伝えします。

STEP 1疎遠な相続人がいると直面する3つの壁

遺産分割の手続きには「全相続人の合意」が原則として必要です。お一人でも連絡が取れない方がいると、思いがけずさまざまな壁にぶつかります。代表的な3つを見ていきましょう。


住所の特定が必要になる

疎遠な相続人と連絡を取るには、まず現住所を調べる必要があります。一般的な手順は次の通りです。

1戸籍謄本から、その方の本籍地を特定
2戸籍の附票(住民票の異動履歴)を取得し、現住所を確認
3住所が判明したら、内容証明郵便などで連絡を試みる

※相続人ご本人または委任を受けた行政書士が、附票を取得できます。

📋 当事務所では、法定相続情報一覧図の作成を前提に、連絡が取れない相続人の調査を行います。詳しくはこちら →

💡 「単に連絡が取れない」と「行方不明」は法律上異なります

「長年連絡を取っていないだけ」「住所が分からないだけ」では、法律上の「行方不明」には当たりません。まずは住所調査と丁寧な連絡から始めるのが基本で、次にご紹介する家庭裁判所の手続きは、それでも見つからない場合の最後の手段になります。


家庭裁判所の手続きで時間と費用がかかる

どうしても連絡が取れない場合、家庭裁判所の手続きを利用することになります。

📋 不在者財産管理人
行方不明者に代わって財産を管理する人を、家庭裁判所が選任(民法第25条)
数か月
期間
数十万円
予納金
📋 失踪宣告
行方不明者を法律上「死亡」とみなす制度(民法第30条)
7年以上
生死不明
1年以上
確定まで

※遺産分割協議への参加には、別途家庭裁判所の許可が必要になります。


突然の連絡で感情的なすれ違いが生まれる

疎遠な相続人に突然連絡が入ると、こんなお気持ちが生まれることがあります。

「隠し財産があるのではないか?」
「自分をのけ者にしてきたのに、今さら……」

⇒ 紛争に発展した場合は、弁護士へのご相談をおすすめします。

→ こうした壁を避けるためには、元気なうちに遺言で備えておくのが最も確実です
STEP 2遺言で備える(最も確実な対策)

疎遠な相続人がいるご家庭にとって、遺言書を残しておくことは、最も確実で現実的な備えになります。

📋 遺言があると、どう変わる?
🏠 不動産の名義変更
遺言執行者(遺言の内容を実現する役割の人)が、単独で法務局に申請できます(民法第1006条)。疎遠な相続人の実印・印鑑証明は不要です。
🏦 預金の解約
遺言執行者が、銀行に遺言書を提示して単独で解約手続きを進められます。
👤 第三者を遺言執行者に
遺言執行者を行政書士などの第三者に指定しておくと、ご家族の負担を軽減できます。

📋 疎遠な相続人が「誰か」によって対応が異なります
兄弟姉妹・甥姪が疎遠
兄弟姉妹・甥姪には遺留分がありません(民法第1042条)。遺言で他のご家族に財産を集中させることができます。
子・親が疎遠
子や直系尊属には遺留分があります(民法第1042条)。遺留分相当額を生命保険などで準備しておくことが大切です。

※遺留分(法定相続人に保障される最低限の取り分)を侵害する遺言は、後から請求される可能性があります。

📜 ご家庭に合った遺言設計を、当事務所がお手伝いします。遺言作成サポートを見る →

STEP 3すでに相続が発生している場合

「親が亡くなってから手続きを始めたら、疎遠な親族の存在に気づいた」——こうしたご相談も少なくありません。

遺言書がない場合、まずはご家族の状況を整理することから始めましょう。

📋 まず確認すべきこと
戸籍謄本を取得して、相続人の範囲を確定する
戸籍の附票で、各相続人の住所を確認する
必要に応じて、内容証明郵便などで丁寧に連絡を試みる

📋 当事務所では、法定相続情報一覧図の作成を前提に、連絡が取れない相続人の調査を行います。詳しくはこちら →

⚠ 早めの対応が大切な理由

相続を放置すると、次の世代に引き継がれてさらに複雑な状態になります。お孫さんの代になると相続人がさらに増え、合意形成がより難しくなってしまうのです。

また、2024年4月から相続登記が義務化されました。不動産を相続したことを知った日から3年以内に登記しないと、正当な理由なき場合に10万円以下の過料の対象となる可能性があります。

手続きが難航している場合も、まずはお気軽にご相談ください。

子どもの頃、兄弟姉妹で一緒に夢中になって遊んだ時間——どのご家族にも、そんなかけがえのない瞬間があったのではないでしょうか。

ただ大人になると、それぞれの人生があって、いつしか距離ができてしまうご家族も少なくありません。

「あんなに仲が良かったのに」

「どこで道が分かれてしまったんだろう」

——そんな複雑なお気持ちを、ご相談を通じて何度もお聞きしてきました。理由はそれぞれで、語り尽くせない経緯があるのだと感じています。

それでも、残されるご家族には、できるだけ穏やかな形で受け取ってもらいたい。

そんなお気持ちを、遺言書という形にしておくことで、確かに残すことができます。

「うちの状況は、どこから整理すればいいのか」

——ご家族の事情をお伺いするだけでも構いません。

お気軽にお声がけください。

行政書士髙橋 大輔

当事務所のサポート内容

疎遠な相続人がいるご家庭の備えと手続きをお手伝いします。

🏛 行政書士(当事務所)
遺言書の起案
戸籍調査・附票取得
相続人の確定
遺言執行者就任
公正証書遺言サポート
⚖ 司法書士(ご紹介)
不動産の相続登記
不在者財産管理人の申立て
家庭裁判所への手続き
⚖ 弁護士(ご紹介)
紛争に発展した場合の対応
遺産分割調停・審判

三重県鈴鹿市の行政書士事務所

疎遠な相続人がいるご家庭の備えと手続きのご相談

初回相談無料・三重県全域・出張対応可

対応業務・費用・対応エリアを確認する →無料相談のお問い合わせはこちら →LINEで無料相談する →

お電話・メール・LINEにて受付中

まとめ
1人で
止まる
疎遠な相続人がお一人いると、手続きが進められなくなる
不在者財産管理人は数か月+予納金。失踪宣告は確定まで1年以上
遺言で
備える
遺言執行者が単独で不動産登記・預金解約を進められる
疎遠な相続人と無理にやり取りせずに済む(民法第1006条)
遺留分
注意
兄弟姉妹は遺留分なし/子・親は遺留分への配慮が必要
子・親が疎遠な場合は、生命保険などで遺留分相当額を準備
今が
最善
放置は次の世代の負担になる。元気なうちの遺言が安心
2024年4月から相続登記が義務化。3年以内未登記で10万円以下の過料
【免責事項】
本記事は一般的な情報提供を目的としており、法的助言を提供するものではありません。個別の事情により手続きや結果が異なる場合がありますので、具体的なご相談は専門家にお問い合わせください。

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