はじめに

相続の手続きには「期限」があるものが多いんですよね。

しかも、その期限を1日でも過ぎると取り返しがつかなくなるものがいくつかあります。

借金まで引き継ぐことになったり、税金のペナルティが発生したり、もらえるはずのお金が消えてしまったり——「知らなかった」では済まないのが、相続の怖いところです。

この記事では、本当に損してしまう期限に絞って、何をいつまでにすべきかを整理します。

⚠ 期限を過ぎるとどうなる?

まず、それぞれの期限を過ぎた場合に何が起こるかを一覧でお見せします。「知らなかった」では済まない事態が並んでいることが、ひと目で分かるはずです。

3か月
相続放棄
借金まで引き継ぐことに
相続放棄ができなくなり、故人の借金や連帯保証債務まで背負うことになります。
4か月
準確定申告
延滞税・無申告加算税
準確定申告が遅れると、本来納める税金に加えてペナルティが発生します。
10か月
相続税申告
節税の特例が使えなくなる
配偶者の税額軽減や小規模宅地等の特例が使えず、本来払わなくてよかった税金まで負担することに。
1年
遺留分請求
遺留分の権利が消える
「最低限もらえるはず」の権利が消滅し、不公平な遺言の内容がそのまま確定します。
2〜5年
もらえるお金
もらえるお金が受け取れない
葬祭費・生命保険金・未支給年金などが、請求漏れで受け取れなくなります。
3年
相続登記
10万円以下の過料
相続登記を怠ると過料の対象に。さらに放置すると権利関係が複雑化します。

それぞれの期限について、もう少し詳しく見ていきましょう。

✅ あなたに関係する期限はどれ?

当てはまるものがある方は、その期限が関係します。一つでも当てはまったら、早めに動き始めましょう。

故人に借金がある/不明 → 3か月(相続放棄)
故人が自営業・不動産収入があった → 4か月(準確定申告)
不動産がある/預貯金が多い → 10か月(相続税申告)
遺言書で取り分が不公平 → 1年(遺留分請求)
葬祭費・生命保険金・年金を請求していない → 2〜5年(もらえるお金)
不動産を相続する/したまま放置している → 3年(相続登記)

3か月相続放棄 — 借金から逃れる最後のチャンス

いちばん損しやすいのが、これですね。「相続放棄」は、亡くなった方の財産も借金もすべて受け取らないという手続きです。この期限を逃すと、知らない間に借金まで引き継いでしまうことになります。

📋 こんな場合は今すぐ動きましょう
故人に借金があるかどうか分からない
財産より負債のほうが多そう
故人が誰かの連帯保証人になっていた可能性がある
事業をしていて取引先への支払いが残っているかもしれない

相続放棄は家庭裁判所への申立てが必要です。3か月は思った以上に短いので、迷ったらまず専門家へ相談してください。

4か月準確定申告 — 故人の確定申告

「準確定申告」は、亡くなった方の代わりに相続人が行う確定申告です。故人が自営業だったり、不動産収入や複数の給与収入があった場合などに必要になります。

📋 こんな方は必要になる可能性が高いです
故人が自営業・フリーランスだった
不動産収入があった(アパート・駐車場経営など)
株式・投資信託の売却益があった
2か所以上から給与をもらっていた

準確定申告は税理士の業務範囲です。「必要かどうか分からない」段階でも、税理士に確認してもらうのが安心ですよ。

10か月相続税申告 — 特例を失う最大の落とし穴

相続税の申告と納税は、亡くなったことを知った日の翌日から10か月以内です。この期限は、単に「税金を払う」というだけではなく、大きな節税特例を使えるかどうかが決まるとても重要な分岐点なんですよね。

💡 期限内申告が必要な主な特例
配偶者の税額軽減(配偶者は1億6,000万円まで相続税がかからない)
小規模宅地等の特例(自宅の土地の評価を最大80%減らせる)
そのほか農地などの納税猶予制度 など
📋 相続税がかかるかの目安

相続税には「基礎控除」があり、3,000万円+600万円×法定相続人の数までは課税されません。相続人が3人なら4,800万円までは非課税です。

ただし、不動産があると基礎控除を超えるケースが多いんですよね。「うちは関係ない」と決めつけずに、まず確認しておきましょう。

相続税の申告は税理士の業務です。10か月という期限は長く感じますが、戸籍収集・財産調査・遺産分割と並行して進めると、あっという間に過ぎていきます。

1年遺留分侵害額請求 — 権利が消える

遺言で「すべての財産を長男に相続させる」と書かれていたら、他の相続人は何ももらえないのでしょうか。実は、配偶者や子には「遺留分」という最低限の取り分が法律で保障されています。ただし、相続が始まったこと・遺留分を侵害する遺言や贈与があったことを知った時から1年以内に請求しないと、その権利は消えてしまいます(知らなかった場合でも相続開始から10年で消滅)。

💡 遺留分とは

配偶者・子・親などに保障された、相続財産の最低限の取り分です。原則として相続財産の半分を、法律で決められた取り分に応じて分けた額が遺留分になります(親だけが相続人の場合は1/3)。

遺留分の請求は、内容証明郵便(送った証拠が残る郵便)などで「請求します」と意思表示しておけば、その時点で期限を止められます。「もらえないと思っていた」「揉めたくない」と諦める前に、一度専門家に相談してください。

2〜5年もらえるお金 — 請求し忘れたら受け取れない

相続では「払うお金」だけでなく「もらえるお金」もあります。葬祭費・埋葬料・未支給年金・生命保険金など、申請すれば受け取れるはずのお金が、期限を過ぎると消えてしまうんですよね。

2年
以内
葬祭費・埋葬料
国民健康保険は自治体により2〜7万円程度(鈴鹿市は5万円)、健康保険は一律5万円
3年
以内
生命保険金
保険会社に請求。請求しないと自動では支払われない(保険会社や約款により異なる場合あり)
5年
以内
未支給年金
亡くなった月までの受け取れていない年金を遺族が請求できる
5年
以内
遺族年金(時効5年)
条件を満たす遺族が継続的に受け取れる年金。請求が遅れると5年を超えた分は時効で消滅

「自分から請求しないともらえない」のが、こうしたお金の共通点です。「自動的に振り込まれる」ものではないので、忘れないようにしましょう。

3年相続登記 — 2024年から義務化されました

不動産を相続した場合、3年以内に登記の名義変更(相続登記)を済ませる必要があります。2024年4月1日から義務化されました。

相続登記は司法書士の業務です。当事務所では、戸籍収集や遺産分割協議書の作成までを担当し、登記は提携司法書士をご紹介します。

よくあるご質問
Q3か月を過ぎてしまった場合でも相続放棄できますか?

A

原則として3か月を過ぎると相続放棄はできません。ただし「借金の存在を全く知らなかった」「相当な理由で知ることができなかった」などの特殊事情がある場合、例外的に認められるケースもあります。気づいた時点ですぐに専門家へ相談してください。
Q10か月以内に遺産分割が決まらない場合はどうなりますか?

A

遺産分割が決まらなくても、いったん法律で決められた取り分どおりに相続したものとして仮の申告と納税を行います。後日、実際の分割が決まったら申告をやり直して精算します。ただし、分割が決まらないまま申告すると配偶者の税額軽減や小規模宅地等の特例は使えません(「3年以内に分割します」という書類を提出すれば、3年の猶予がもらえます)。
Q遺留分は遺言で「相続させない」と書かれていても請求できますか?

A

はい、請求できます。遺留分は法律で保障された最低限の取り分なので、遺言の内容より優先されます。ただし、兄弟姉妹には遺留分はありません。請求するには、相続が始まったこと・遺留分を侵害する遺言や贈与があったことを知った時から1年以内に意思表示が必要です。
Q三重県・鈴鹿市で相談できますか?

A

当事務所(行政書士髙橋大輔事務所・三重県鈴鹿市)にて承っています。期限から逆算したスケジュールの整理・戸籍収集・遺産分割協議書の作成は当事務所が担当し、相続税は税理士、相続登記は司法書士をご紹介します。対面・電話・LINE・オンライン対応可。初回相談は無料です。

時計の針は、悲しみの中にいても止まってくれないんですよね。

「相続には期限がある」と頭では分かっていても、実際に直面すると想像以上に時間が足りないものです。

特に怖いのは、「気づいた時にはもう遅い」というケース

3か月を過ぎてから借金が発覚する

——そんな話を聞くことも少なくありません。

最初にご相談に来られる方は、皆さん思いつめたような表情をされています。

「何から手をつけたらいいか分からない」

「自分の判断で進めて大丈夫だろうか」

——そんな不安を抱えてやってこられるんですよね。

でも、ご家族の状況を一緒に整理して、これから何をすればいいかが見えてくると、皆さん少しほっとした表情に変わっていかれます。早めに動き出せば、ほとんどのケースは防げますから。

何もかも一人で抱え込むのはとても大変なことです。

「自分のケースで、どの期限が関係あるのか」

「何から手をつければ間に合うのか」——その判断のお手伝いからさせていただきます。

行政書士髙橋 大輔

当事務所のサポート内容

期限のある手続きが多くて不安な方は、ご相談ください。

これからやるべきことを、期限から逆算して整理したい
戸籍収集や遺産分割協議書の作成を任せたい
誰に何を相談すればいいか分からず、一人で抱え込んでいる

行政書士業務(戸籍収集・遺産分割協議書・財産目録)に加えて、相続税は税理士、相続登記は司法書士をご紹介します。

🏛 行政書士(当事務所)
戸籍収集・相続人確定
遺産分割協議書作成
財産目録の作成
手続き全体の進行管理
⚖ 司法書士(ご紹介)
不動産の相続登記(2024年4月義務化)
相続放棄の申立書作成
📊 税理士(ご紹介)
相続税の申告・納税
準確定申告

三重県鈴鹿市の行政書士事務所

相続手続きについてお気軽にご相談ください

初回相談無料(対面・電話・LINE・オンライン)・出張対応可

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まとめ|知らないと損する期限の全体像
3か月
相続放棄
過ぎると借金まで引き継ぐ・取り返しがつかない
4か月
準確定申告
過ぎると延滞税・無申告加算税
10か月
相続税申告
過ぎると延滞税+特例(配偶者控除・小規模宅地)が使えない
1年
遺留分侵害額請求
過ぎるともらえるはずの権利が消滅
2〜5年
もらえるお金の請求
葬祭費・生命保険金・未支給年金・遺族年金
3年
相続登記(2024年4月義務化)
過ぎると10万円以下の過料の対象
【免責事項】本記事は一般的な情報提供を目的としており、法的助言・税務助言を提供するものではありません。個別の事情により手続きや結果が異なる場合がありますので、具体的なご相談は専門家(行政書士・税理士・司法書士・弁護士等)にお問い合わせください。記載内容は2026年6月時点の情報に基づきます。

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