はじめに

はじめに

「親に遺言書を書いてほしい。でも、どう切り出せばいいのかわからない」

そう思いながら、なかなか言い出せずにいる方は多いのではないでしょうか。

当事務所には、「配偶者が認知症で、自分が先に亡くなったらどうなるのか」という不安を抱えたご本人や、心配したご子息様が親の代わりに相談に来られるケースが少なくありません。

「何度話しかけても親が動いてくれない。耳も遠くなってきた」という声もよく聞きます。

遺言書は、判断能力がある間にしか準備できません。

認知症が進んだ状態で作成した遺言書は、後から無効を争われるリスクがあります。

気づいたときが、最後のチャンスかもしれません。

この記事では、「なぜ親は遺言を書きたがらないのか」という背景から整理し、具体的に解説します。

📋 この記事でわかること
親が遺言を書きたがらない本当の理由
切り出すタイミングと伝え方(場面別・セリフ例つき)
親が「書く」と言ったら次にやること

親が遺言書を書きたがらない3つの理由

親が遺言書を書きたがらない3つの理由

「何度か話を振ってみたけど、うやむやになった」——そんな経験、ありませんか。
親が書こうとしない背景には、だいたい共通した理由があります。まずそこから整理してみましょう。

理由① 「まだ早い」と思っている

遺言書は「高齢になってから書くもの」というイメージを持っている方が多くいます。「自分はまだ元気だから」「死ぬのはまだ先の話」という感覚です。

⚠ 実際は「元気なうち」しか書けません
遺言書は、書いた時点で本人に意思能力(法律用語で「遺言能力」)がなければ無効になります。認知症が進んだ状態で作成した遺言書は、後から無効を争われるリスクがあります。元気なうちに作成しておくことが重要です。

理由② 「うちは揉めない」と思っている

「仲のいい家族だから大丈夫」「財産も多くないから関係ない」という思い込みは非常によくあります。

⚠ 相続トラブルは財産の多さとは関係ありません
裁判所の司法統計によると、遺産分割事件のうち約3割は遺産総額1,000万円以下の案件です。揉める原因は「財産の額」ではなく「分け方が決まっていないこと」にあります。

理由③ 「面倒くさい・難しそう」と思っている

「手続きが複雑そう」「どこに頼めばいいかわからない」という手続き面での心理的ハードルも大きな要因です。

💡 公正証書遺言なら行政書士がサポートできます
親本人が全部考える必要はありません。行政書士が内容の整理から公証役場との手続きまでサポートできるため、親の負担は思ったより小さくなります。

うまく伝えられる3つのタイミング

うまく伝えられる3つのタイミング

遺言の話は「何を言うか」より「いつ・どう切り出すか」のほうが重要です。同じ内容でも、場面次第で親の受け取り方がまったく変わります。

タイミング①身近な人の相続が起きたとき

親の友人や親戚が亡くなり、相続の話が出たとき。「あそこは大変だったみたいだね」という流れから自然につなげられます。

💬 セリフ例
「○○さんのところ、手続きが大変だったって聞いたよ。うちも何か準備しておいたほうがいいかな」

タイミング②親が老後・終活の話を自分からしたとき

「老後はどうしようか」「終活でも考えようかな」など、親自身が将来について話し始めたタイミングが最も自然です。

💬 セリフ例
「それなら、エンディングノートとか遺言書とか、一緒に考えてみようか。私も一緒に調べるよ」

タイミング③1対1でゆっくり話せる場面

兄弟がいないとき、ドライブ中や食事の後など、リラックスした雰囲気の中で話すと親も構えにくくなります。

💬 セリフ例
「お父さんの気持ち、ちゃんと残しておけたらいいなと思って。財産のこととか、どう考えてるか聞いておきたくて」
うまく切り出せなかった場合は
「こう言えばうまくいく」という正解はありません。
何度話しかけても親がなかなか動いてくれないケースも多く、それでも諦めなかった方が相談に来られます。うまく切り出せなかったときは、お子さんだけで専門家に相談するところから始めても構いません。
一緒に親御さんへの伝え方を考えます。

伝え方の3つのポイント

伝え方の3つのポイント

タイミングと合わせて、「どう伝えるか」も大切です。ちょっとした言葉の選び方で、親の受け取り方が大きく変わります。

1
「親のため」を軸にする
「子どもたちのため」ではなく、「お父さん・お母さんの気持ちや想いをきちんと残せる」という視点で話す。遺言書は親自身の意思を守るものだと伝えることが大切です。
2
「一緒にやる」姿勢を見せる
「親に書かせる」のではなく「自分も一緒に調べる・考える」というスタンスで話すと、孤独な作業ではなくなります。「私も自分の遺言を考えてみようかな」という言い方が自然で効果的です。
3
「手続きは専門家に任せられる」と伝える
「全部自分でやらなくていい。行政書士などの専門家に相談すれば、内容の整理から書き方のサポートまでやってもらえる」と伝えると、手続きへの心理的ハードルが下がります。

親が「書く」と言ったら次にやること

親が「書く」と言ったら次にやること

「書いてもいいかな」という気持ちになってもらえたら、その勢いを逃さないことが大切です。ここで間を置くと、また「やっぱりいいや」となりがちです。まず遺言書の種類を確認しておきましょう。

自筆証書遺言
書き方:全文を手書きで作成
費用:ほぼ0円(法務局保管は3,900円)
メリット:手軽に作れる
デメリット:形式不備で無効になるリスクあり。法務局に保管しない場合は家庭裁判所での「検認」手続きが必要
公正証書遺言 ← おすすめ
書き方:公証役場で公証人が作成
費用:財産額により異なる(数万円〜)
メリット:無効になりにくい。検認不要。原本は公証役場で保管されるため紛失・偽造リスクなし
デメリット:費用と手間がかかる
⚠ 用語の説明
公証役場(こうしょうやくば):全国に約300か所あり、法律の専門家である「公証人」が書類の作成・証明を行う機関です。
検認(けんにん):遺言書の内容を家庭裁判所が確認する手続きのこと。公正証書遺言には不要ですが、法務局に保管していない自筆証書遺言には必要です。

それぞれの詳しい手順・費用については以下の記事で解説しています。

✅ 親が「書く」と言ったときのステップ
1.どんな財産があるか大まかに把握する(預貯金・不動産など)
2.誰に何を渡したいか、親の意向をざっくり聞いておく
3.公正証書遺言にするか自筆証書遺言にするか検討する
4.行政書士など専門家に相談し、作成をサポートしてもらう
5.完成後は保管場所(または法務局保管)を家族で共有する

当事務所でできること

当事務所でできること

こんな状況でお困りではありませんか?

親に遺言書の話を切り出したいが、どう進めたらよいかわからない
親が「書いてもいい」と言ったが、次のステップが見えない
公正証書遺言と自筆証書遺言、どちらがよいか判断できない

遺言書の作成は、内容の整理から公証役場との手続きまで、行政書士がサポートできます。「何から始めればいいか」という段階からお気軽にご相談ください。

🏛 行政書士(当事務所)
ご意向のヒアリング・整理
遺言書の内容案の作成サポート
公証役場との調整・立会い
必要な戸籍等の書類取得
⚖ 司法書士(ご紹介)
不動産の相続登記
(2024年4月より義務化)
📊 税理士(ご紹介)
相続税の試算・申告手続き

三重県鈴鹿市の行政書士事務所

遺言書の作成についてお気軽にご相談ください

初回相談無料・オンライン対応可

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お電話・メール・LINEにて受付中

まとめ

まとめ

ここまでのポイントを整理します。

なぜ書か
ないか
「まだ早い」「揉めない」「面倒くさい」の3パターン。いずれも誤解であることを丁寧に伝えることが重要
タイミング
身近な相続が起きたとき・親が終活の話をしたとき・1対1で話せる場面
次のステップ
「書く」と言ったら財産の把握→遺言の種類選択→専門家へ相談の流れで進める

遺言書は「死の準備」ではなく、親が自分の想いを家族に伝えるためのものです。完成したとき「心配事が一つ解消された」と安堵される方が多いです。「親のため」という視点で、まず一歩踏み出してみてください。

【免責事項】本記事は一般的な情報提供を目的としており、法的助言を提供するものではありません。個別の事情により手続きや結果が異なる場合がありますので、具体的なご相談は専門家(行政書士・司法書士・税理士等)にお問い合わせください。

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